レクテ(recte)/恵比寿

恵比寿と代官山の中間あたりにあるフレンチレストラン。テラス席が印象的なビストロ「ル プティ レストラン エピ(Le petit restaurant epi)」のすぐ近くです。
店名はラテン語で「まっすぐに、正しく、善く」という意味。佐々木直歩シェフは銀座「ル・ジャルダン・デ・サヴール(Le jardin des saveurs)」で中澤敬二シェフに師事したのち渡仏。いくつかの有名店で腕を磨いたのち2010年帰国。「ザ・ウインザーホテル洞爺」「ル・ジュー・ドゥ・ラシエット」「ヌーヴェルエール」を経て現在に至ります。
4,800円のランチコースを注文。まずはヴィシソワーズ。ジャガイモの濃厚な味覚を楽しみつつも、冷たく爽やかな口当たり。開幕に最適な1皿でした。
パテドカンパーニュのお肉は十勝放牧豚。肉の美味しさはもちろんのこと、ピクルスやサラダの使い方が旨く、上品な酸味が全体を取りまとめます。
パンが滅法旨い。北海道のはるきらり小麦とライムギを用いた自家製パンであり、もちもちと豊かな水分を湛えつつ、穀物の旨味や甘味が噛みしめるほどに感じられる、素晴らしいものでした。ただし、この辺りから皿出しのテンポが極端に悪くなり始めたので、パンばっかり食べていた記憶があります。
相当待たされて出てきたのがアジ。上質なアジフライよろしく魚そのものの味が濃い。ズッキーニやキュウリの扱いも上手く、揚げ物ながら軽い口当たりの料理です。
やはりかなり待たされて出てきたのがハモ。客の入りは半分でありそれほどややこしい料理というわけではないのに、どうしてこんなに時間がかかるのでしょうか。店内のどのテーブルにも料理が置かれておらず皆ヒマでケータイをいじってる有様であり、そんな雰囲気の中で食べる料理の味は中くらいである。
辛抱強く待って出てきたのが霧島豚。肉そのものは悪くないのですが、アサリをソースに用いる点は意図がわかりませんでした。アサリそのものも砂抜きが上手くいっておらずジャリジャリとガッカリな食感。付け合わせの野菜の素材ならびに調理は素晴らしかっただけに残念。
ルバーブのタルト。酸味と甘味を強くしたルバーブを、自家製のふんわりとしたアイスクリームで優しく食べ合わせます。
食後の飲み物はコーヒー・紅茶・日本茶・フレッシュハーブティーなどの中から選択することができます。選択肢が沢山あるのは嬉しいですが、それによって手間が増えて提供時間が延びるのであれば、もう少し対象を絞るなりしてパッパカパッパカ出して欲しいところ。
ミニャルディーズには焼きたてのフィナンシェもあり味は確かなのですが、ここに力を入れるのであればコース全体を通してのスピード感をもう少し意識して欲しいです。また、
サービス陣は丁寧で真心がこもっているものの、どうにもノンビリとした対応に感じてしまいました(予約確認の電話が何であんなに長ったらしいんだ!)。

料理そのものの味覚や費用対効果はかなり良いのですが、テンポの悪さやサービスの動きの悪さからどうにも間延びしてしまった食事でした。それほど親しくない間柄での利用(初デートとか接待とか)は相当に厳しいでしょう。トーク中心の女子会使いにどうぞ。


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