焼き台をぐるりと取り囲むカウンター席に小さなテーブル1卓のみという小さなお店。店内待ち合わせは厳禁であり、揃ってからの入店になります。サービスの方の圧が結構強いですが、店側のルールを明確に提示しテキパキハキハキと動く様には好感が持てます。
今回はアラカルトでの注文。だき身(胸肉)の低温調理。赤ちゃんの肌のようにしっとりスベスベした食感であり、雑味の無いクリーンな味わい。
白レバーパテは欧米系の料理店のそれと同等かそれ以上の味わい。肝臓のコクは感じつつも、やはり清澄な味わいが心に残りました。
焼鳥は5本お任せセットを注文。まずは手羽先。かなり強めに炙られており、苦味すら感じられる焼き加減です。
日本酒は豊富なのですが、いずれも90mlで1,000円前後と信じられないほど高い。一方、ワインの値付けについてはそれほど悪くなく、焼鳥にも合いそうなコチラを。
つくねは卵黄が無いパターンであり、タレもあっさりと控えめ。個人的にはデロデロのタレと卵黄のドッキングがフェイバリットなのですが、まあ、好みは人それぞれ。
せせりは一般的なそれに比べると実に柔らかく風味も穏やか。当店は下処理がしっかりしているのか、肉特有のクセなどがキレイに排除されている印象を受けました。
ささみ焼きのワサビ。悪くないのですが火入れの頂点を若干過ぎており、パサついた食感が気になりました。私はレアッレアのレアが好きなのだ。味わいも繊細なので、食べる順番としては冒頭に持って来て欲しかった。
レバー。前述の通り臭味などは抜け切っており、レバーの良いところだけをじっくりと楽しむことができます。レバーが苦手な方でも楽しむことができるでしょう。
赤ワインにシフトしますがこれは失敗。ワインリストには「メルロ」と記載されていたのですが、妙に酸っぱくタンニンは薄く、ぜんぜんメルロらしくありません。ワインそのものとしては悪くないのかもしれませんが、期待していた味わいとまるで違いました。
ハツ。本日頂いた串の中で最も猛々しい味わいであり、筋肉質でパワフル。なおのこと、きちんとしたメルロと合わせたかったよう。
ねぎま。ジューシーで噛み応えのあるマッチョな肉を、ガリっと炙って頂きます。焦げ目の香ばしさと肉の味の濃さが心地よく美味しかった。
うずらの卵はキンキンに火が通っており、とろりとした食感は見い出せませんでした。ちょっと残念。
看板メニューの「鶏中華そば」。佐野実に教えを乞い「中華そばのみはお断り」と貼り紙を掲げるまでに人気が沸騰したスペシャリテです。が、まあ、普通に美味しいラーメンといった程度であり、そこまで大騒ぎするほどのものではありませんでした。880円という価格も高い。
「鶏つけそば」は950円と更に高い。味わいのベクトルは先の1杯と同じであり、両方を注文する必要は無かったかもしれません。
お会計はひとりあたり8千円強。結構飲んだからか、思ったよりも高くつきました。ビール片手に串だけをサラっと食べればまた印象は違うのかな。近所にあってフラっと立ち寄れればちょうど良いお店だと思います。
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