その/麻布十番

パティオ十番からナニワヤ方面に歩いて行くと妙に目立つお好み焼き屋があります。戸は開け放たれており常に満席。日に拠っては歩道に臨時のテーブルを広げていることも。
常連感が強いため入店は遠慮していたのですが、たまたま空いていた日があったため勢いで入店。4人掛けのテーブルが2卓に2人掛けのテーブルが2卓。ただしそのうちのひとつは荷物置き場、兼、お店の坊やの食事場所であるため、実質的には10人ほどで満席の小さなお店です。
生ビールで乾杯。店主と若い店員がタメ口で話していたので親子かと思いきやバイトのようです。この子が高橋朱里のような顔立ち並びに語り口であるため、とても癒されました。本日一番のお皿です。
お通し。ピーマンのおひたしでしょうか、やや酸味が感じられ、パパっとつまむには心地よい味わい。
とん平焼き。炒めた豚肉と野菜を卵で包むベーシックなもの。やはりソースとマヨネーズのコンビは最強である。
味と脂が強いため炭酸の力を借りることとします。時を同じくして続々と入店する常連の予約客たち。子供もOKであり、こども会の会合のような雰囲気となり心和みます。
イチオシの厚揚げ。外皮はカリカリ、内側はジューシーな厚揚げが盛りだくさん。ショウガとネギもたっぷりであり家庭的な一皿。ただ、自宅で3分で作れる料理だとも言えます。
ホルモンは美味しくありません。脂がギトギトと強い一方で調味は薄く、脂っぽさばかりが悪目立ちしています。やはりホルモンとは網である程度アブラを落としながら食べるべき素材なのかもしれません。
豚玉天を注文すると、サラダ油とタネが置かれました。どうやらセルフ形式でのお好み焼きのようです。関西人の血が騒ぐ。
私の腕のせいなのか元々そういうものかはわかりませんが、不味くはないが旨くもないお好み焼きが完成しました。お祭りの屋台やそこらへんのチェーン系居酒屋のそれと同等の味覚であり、おたふくソースとマヨネーズで辛うじて体裁を保っているレベルです。
もんじゃについてはお店の方が調理してくれたのですが、これはイマイチを通り越して不味かった。味の焦点がボケており混沌が胸を支配する風味です。これで900円というのは高杉晋作。
以上を食べ、酒をふたりで2杯づつ飲み、お会計は総額7千円を超えました。これはちょっと割高だなあ。味覚を追及するのであれば同じ金額を築地銀だこハイボール酒場などで費消したほうが満足度は高いでしょう。他方、部室というか近所の駄菓子屋というか、不思議な居心地の良さはプライスレス。常連となり、お友達と連れだって長居するのであれば違った魅力が見えてくるのかもしれません。


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