暑い日のランチだったので、まずはフランチャコルタから。柑橘の風味が強く初夏にピッタリ。ただ、あとから明細を確認したところワインペアリングは7,000円でした。料理6,000円にペアリングがその価格設定ってのはバランスが悪いです。
「茹でタコ」。低温で茹でた柔らかいタコに貝類の味覚を添加。グニグニした食感と強い旨味がベスト・マッチ。「赤海老のブレザオラとセミフレッド」。旨味の強い赤海老の味噌をアイスクリームに仕立ててあります。これはもう、食べる前から美味しいですね。強烈な海老の味噌をネットリとした食感が撫でていく。
合わせるワインは白。なのですが、ややこしいブドウにややこしい製法で、かなりややこしい味です。難解すぎて私の口には合いませんでした。
パンは素朴。なのですが、滋味の厚いオリーブオイルにたっぷり浸すと香り高い味わいに。
「タリアテッレ 牛テール赤ワイン煮込み グリーンピースのピュレ」。サローネグループのお家芸とも言えるパスタ食べ放題は無く、固定量です。麺と具材を分けての提供であり、それぞれは悪くないのですが、どうも絵的に救われない。
土着のブドウをアンフォラで発酵させた、やはりややこしいワインです。うーん、当店のワインペアリングはどうでしょう。拘りのある個人店で出す分には悪くないですが、敷居の低い商業ビルでの6,000円のランチに、こんなに凝った組み合わせを目指す必要性は果たしてあるのかどうか。客層に全くそぐわないセレクションに感じました。
メインはあか牛のロースト。これはまあ、肉ですね。美味しいのですが一般的でもあり記憶に残りづらい。レフォール(西洋ワサビ)のソースは良かったです。
シチリアのワイナリーで、ネレッロ・マスカレーゼという初めて聞くブドウ。味は赤ワインの王道っぽい味わいで、ここにきてようやく好きな1杯に出会えました。
白いティラミス。クスクスやオレンジなどを底に置き、たっぷりのマスカルポーネチーズとコーヒー風味のパウダーを。美味しいのですが、映えない。加えて一般的なティラミスの構成要素とはかけ離れており、違和感を感じながらのフィニッシュでした。
サローネグループの新店ということで期待してお邪魔したのですが、私の価値観には合いませんでした。(これはグループ共通ですが)食事とワインの価格バランスが悪く、そのワインの選択も好みが分かれるところでしょう。食事もサローネグループの美点とも言えるパスタの影が薄く、知らずに入店すればサローネグループの店とは気付かなかったかもしれません。これまでの芸風とはまるで別物と覚悟して訪れましょう。
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イタリア料理屋ではあっと驚く独創的な料理に出遭うことは少ないですが、安定して美味しくそんなに高くないことが多いのが嬉しい。
- TACUBO(タクボ)/代官山 ←ポイントは二番手の存在。
- リストランテ カッパス(Ristorante kappas)/表参道 ←コスパ抜群。質実剛健。
- プリンチピオ ←こんなに有意義な6,800円があるか?
- ポンテ デル ピアット (PONTE DEL PIATTO)/広尾 ←少量多皿でどれも旨い。
- アッピア/広尾 ←客の注文力が試される偉大な店。すごく高いのが難点。
- RISTORANTE YAGI(リストランテ ヤギ)/代官山 ←都内の予約の取れないイタリアン・レストランの代名詞となる日も近い。
- リストランテ・オステリア/六本木 ←ベーシックにすごく美味しい。誰もが納得。
- サローネ2007/元町 ←ランチのポモドーロは絶品。グラム数が指定できるもの最THE高。
- トラットリア アマルフィターナ ←精神的にも費用対効果も本物のトラットリア
- ロッツォシチリア/南麻布 ←雰囲気良く客のレベル高し。ウイキョウのパスタが秀逸。
- カーザヴィニタリア/麻布十番 ←ゴージャスな店内と落ち着いた雰囲気。そのくせ高くない。
- アクアパッツァ/広尾 ←日本人向けイタリアン。誰が食べても納得の味わい。
- アンビグラム/広尾 ←肉塊に喰らいつく幸せ。やや割高なのが難点。
- サーラアマービレ/銀座 ←ランチのフリーフローがお得。