元町「サローネ2007」を筆頭に、西麻布「イル・テアトリーノ・ダ・サローネ」、渋谷「ビオディナミコ」、茅場町「ロットチェント」、日比谷「SALONE TOKYO(サローネ トウキョウ)」などサローネグループが好きな私。今回は関西初出店として耳目を集めた「クイントカント(QUINTOCANTO)」へ。
立地は中之島のダイビル本館。1924年に竣工した旧館のネオロマネスク様式の意匠を再現したかっちょええビルヂングです。お隣は「パリアッシュ (PARIS-h)」、新ダイビルには「ル・シュクレクール (LE SUCRE-COEUR)」など、凄いパン屋が連なる地域でもあります。先頭バッターは竹炭を練り込んだシュー生地でフォアグラを挟む。レモンの風味が強く、それほどフォアグラフォアグラしていないため最初から食べやすい。バックを飾るパンたちも食べることができるそうです。
牛タンのグリル。インゲンや水菜などの野菜を添えつつレモンとバジルのグラニテで整える。美味しいのですがキレイ過ぎるきらいもあり、もっと牛タン牛タンしたほうが記憶に残るでしょう。
「イワシのカラブリア風」とのことで、じっとりと味の濃いイワシにパプリカのガスパチョやオリーブ、オレガノ、松の実などが寄り添います。こちらも先と同様、間違いなく美味しいのですがイワシの存在感に乏しい。
アスパラのリゾット。カラスミで旨味を添加し、つぶ貝で食感に変化を与えているのがグッドです。
パンは真っ白で丸い。これ単体で食べるというよりは、料理を引き立たせるために添えられる軽い軽いパンでした。
アニョロッティという、ピエモンテ州の郷土料理。詰め物入りのパスタです。内部は鳩のラグー。こちらも悪くはないのですが1口サイズであり食べた感に乏しい。
メインは仔羊。酸味をきかせた調味で面白い味覚です。添えられたアーティチョークにはクリームやチーズなどが詰まっており、主役を食ってしまうほどの完成度でした。
おなじみポモドーロは30g・60g・90gから選択できるので、当然に90gで。美味しいのですが、初めて元町「サローネ2007」で食べた時よりも感動が薄い。ペタっとしたトマトの味が前面に出ており、タマネギやセロリなどの風味が乏しく奥行きに欠けたような気がします。単調な味わいで飽きが来ました。
デザートはパンケーキ。私はパンケーキという料理が好きでなく、むしろ料理として認めていないフシがあるのですが、当店のそれはマーベラスでした。表面を思い切りガリっと焼いており、マンゴーやパッションフルーツを並べ、上品にハチミツを添えています。これは旨い。少なくともビルズの5倍は旨い。
お茶菓子とエスプレッソでごちそうさまでした。
お料理だけだと5,000円という奇跡の価格設定であり、費用対効果という意味で大変満足しました。ただし感動の絶対値が大きいかというと少し違う。それぞれの料理は美味しいのですが、ポーションが小さく何を食べたのか記憶に残り辛い。女性には嬉しいストーリー展開かもしれませんが、この芸風では私のK点を超えることはありません。
サービスも親しみやすく一生懸命であることは伝わってくるのですが、若者揃いで貫禄に乏しく、立派なハコに比べるとチープな接客に感じました。あの、ワゴンでガラガラと食べ物を持って来るのが良くないんでしょうね。エレガントさに欠け、機内食を想起させます。
食べログでは4.23(2019年5月)とびっくりするような点数ですが、果たしてその内容を論じているのかは疑わしいところ。記念日や接待で利用するには重厚感に欠けるので、ちょっと贅沢な女子会ぐらいでにちょうど良いのかもしれません。
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イタリア料理屋ではあっと驚く独創的な料理に出遭うことは少ないですが、安定して美味しくそんなに高くないことが多いのが嬉しい。
- TACUBO(タクボ)/代官山 ←ポイントは二番手の存在。
- リストランテ カッパス(Ristorante kappas)/表参道 ←コスパ抜群。質実剛健。
- プリンチピオ ←こんなに有意義な6,800円があるか?
- ポンテ デル ピアット (PONTE DEL PIATTO)/広尾 ←少量多皿でどれも旨い。
- アッピア/広尾 ←客の注文力が試される偉大な店。すごく高いのが難点。
- RISTORANTE YAGI(リストランテ ヤギ)/代官山 ←都内の予約の取れないイタリアン・レストランの代名詞となる日も近い。
- リストランテ・オステリア/六本木 ←ベーシックにすごく美味しい。誰もが納得。
- サローネ2007/元町 ←ランチのポモドーロは絶品。グラム数が指定できるもの最THE高。
- トラットリア アマルフィターナ ←精神的にも費用対効果も本物のトラットリア
- ロッツォシチリア/南麻布 ←雰囲気良く客のレベル高し。ウイキョウのパスタが秀逸。
- カーザヴィニタリア/麻布十番 ←ゴージャスな店内と落ち着いた雰囲気。そのくせ高くない。
- アクアパッツァ/広尾 ←日本人向けイタリアン。誰が食べても納得の味わい。
- アンビグラム/広尾 ←肉塊に喰らいつく幸せ。やや割高なのが難点。
- サーラアマービレ/銀座 ←ランチのフリーフローがお得。