鰻の寝床のように細長い間取りの当店。恐らく十番で最も動線の悪い飲食店でしょう。買い求める客、イートインの客、ナプキンやスプーンなどを取りたい客、お会計をする客などが入り乱れ、出入口は混乱をきたしています。
小麦粉を薄く伸ばした生地を丸いパイプに巻きつけて焼き、シナモンや粉砂糖を広げた台の上でゴロゴロと転がします。
ちょうど生地が焼きあがったばかりのタイミングであったためアツゥイ。本来的にはその生地だけを楽しむお菓子のようですが、現代ではソフトクリームのコーン代わりにトゥルデルニークを用いるのが流行りだそうな。
味は、まあ、今みなさんが想像している通り、写真の通りの味わいです。生地そのものやソフトクリームの味覚は悪くないのですが、付け合わせのクッキーやチョコレートソース・キャラメルソースが手抜きであり工業的な味わいでした。
連れは「KYOTO」という抹茶系フレイバーを注文。女って抹茶好きだよな。とは言えベースは全く同じであり、付け合わせのケーキとソースのみが異なるという仕様です。
ちなみにお会計はひとつ700円強と恐ろしく高価です。トップアスリートたちがサロショで展開するスイーツと同価格帯であるという自覚が果たして当店にあるのでしょうか。これならそこらへんのパン屋のクロワッサンとハーゲンダッツを合わせて食べたほうが満足度は高いなあ。
エクステリアはさておき、食べ物そのものがそれほど映えるというわけでもなく、Dominique Ansel Bakeryのようなアバンギャルドさもなく、何を売りにしたいのかが見えないお店でした。これがひとつ380円程度なら世代を超えた人気商品へと成長し、チェコ政府から表彰されると思うのだけれど。
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