キャセイ・パシフィック航空ファーストクラス/パリ→香港

ラウンジを後にし、いよいよ搭乗。機体はB777-300ER。ファーストとビジネス客が前方の出入り口、プレミアムエコノミー以下は後方の出入り口からの搭乗です。
ブリティッシュ・エアウェイズのファーストのように若干ナナメった配置です。
ナナメっているので足元は徐々に狭まっていく仕様。もちろん大の字になって寝るわけではないので無問題。
窓は1席に3つ用意されており開放的。 ウェルカムシャンパーニュのクリュッグがキラりと光ります。
メインのディスプレイのほか、PSPサイズの取り外し可能なミニディスプレイが便利。手元の画面で色々と操作したり、メインでは映画・ミニではマップなど分けた使い方が可能でした。
ウェルカムシャンパーニュの後にはパジャマが配布されます。コーポレートカラーに則っており生地も良い。これまで利用したファーストクラスの中では一番のお気に入りです。
お手洗いは内装を変えたりイソップを配備したりと工夫がみられます。着替え用のベンチの使い勝手が地味に良かった。
ジャケットや荷物は足元横の個人用ロッカーに保管します。ファーストクラスにおいては頭上の棚が廃止されていることが多く、このようなロッカーを利用することが多いのですが、その中でもかなりの収納力を誇る仕様でした。
アメニティはイソップとタイアップ。と思いきや、イソップなのは美容液(?)とリップバームだけでした。
安定飛行に入るとランチタイムが始まります。アミューズは共通でキャビア、食事は洋食か中華を選ぶという仕組みでした。
それにしても優秀なシャンパーニュとキャビアの組み合わせには神話的な説得力がありますね。実際のところ大して合わないような気がしないでもないですが(魚卵全般ワインに合わせるのは難しい)、やはりこういうものは気分である。
カリフラワーのスープ。成城石井のレトルトと同等に美味しい。
サーモンも美味しいのですが、ホテルの朝食ビュッフェのそれと比べると大差ありません。
メインはロブスター。期待を遥かに超えるボリューム感であり素材の勝利です。まさか機上で海老をムシャムシャ食べれるとはなあ。
「ロブスターにすごく合う」とCAに強く推奨されたのですが、うーん、どうでしょう。個人的にはさっきのクリュッグのほうが迫力のある味わいで好き。
もう少し食べたいなと思いCAに相談すると、本来はメインで出す選択式のラムをお出し頂けました。これが結構美味しくって、空の上でのリヒートとは考えられないほど立派な調味でした。
合わせるワインはメドック5級。これは素晴らしいワインですねえ。スーパーセカンド呼ぶに相応しく、凝縮感に溢れた見事な1杯でした。
チーズは3種用意されており、私は2種を取ることに。ちなみに私を担当してくれているCAは男子であり、これが結構気の利く好青年でウマが合いました。色々と察しがよく、陸の上の高級レストランのサービスとしても大成したであろう。
デザートはマンゴーアイスクリームをチョイス。アイスクリームを凌駕する量のベリーたちの存在感といったらない。
食後のコーヒーには小菓子としてショコラがついてきました。すごいなあ、キャセイ・パシフィック。完全にフランス料理としての流れをやり切った感があります。
お腹がいっぱいになったので、ベッドを整えてもらって就寝。ヘタなビジネスホテルよりも余程寝心地が良いです。
朝食もコース仕立て。まずはフルーツから。先のデザートもそうですが、果物が豊かなフライトでした。
フランス発の飛行機なのでヴィエノワズリーに期待したのですが、こちらはイマイチ。
シリアルとヨーグルトはパスし、メインは海老のお粥。こちらもあまりピンと来ません。昼食に比べると途端にクオリティが下がり、ビジネスホテルの朝食ビュッフェと大差ありませんでした。
それでもさすがはファーストクラス、12時間のロングフライトではありましたが、全く疲れや飽きを感じることはありませんでした。サービスは付かず離れずで心地よく、食事やワインのラインナップは程々で過剰でなく、バランスの良いファーストクラスのような気がします。

ところで後から料金を確認してみたのですが、普通にこのフライトに乗れば片道60万円弱とのこと。他方、香港からパリへ向かうファーストクラスであれば片道150万円弱と一気に値段が跳ね上がります。母国発がクオリティが高いと言えどもこの価格差はちょっと説明がつかない。航空業界は難しい。




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