料理は毛沢東の出身地、湖南省のもの。お店の説明によると『湖南料理の特徴は「四川料理より辛い」という人もいるほどの辛さ。でもいつまでも後を引く辛さではなく、「香辣(シャンラー)」と呼ばれるスカッと突き抜けるような爽快な辛さです』。店名はその味覚をあらわしてのことでしょう。
料理だけでなく酒も興味深い。バーボンに中国紅茶を漬け込んだハイボール。濾し器で葉っぱを除去しながら強めの炭酸で割っていく楽しさよ。2杯で980円とお買い得。
オクラと餅の湖南風サラダ。何ですかそれはそんな料理聞いたことがありません。ましてお餅がサラダに入っているだなんて。味わいは中くらい。いわゆるお餅というよりも、白玉のようなものであり(米粉で作るお餅らしいです)、時間が経つと溶けてくるのが残念。サラダというよりも、白玉を中華ダレで食べる一品という印象。
牛ハチノスの金湯スープ レモングラス風味。細切りの牛ハチノスを鶏出汁で溶いたかぼちゃのスープで軽く煮た汁物です。青唐辛子ならびにレモングラスの清涼感が胃袋を掴みます。量もたっぷり最後の一滴まで旨い。
こちらのハイボールは、先の中国紅茶に加えて梅干しやレモンも合わさったもの。同じく2杯で1,000円程度であり実にリーズナブルです。
さつまいも春雨の鉄鍋煮。さつまいものでん粉で作った春雨を、鶏のスープで煮込んだ湖南省の郷土料理。色は全然違いますが、天下一品の「こってり」に似たベクトルの味わいです。そんなドロドロのスープをじっくりと吸い込んだ春雨が堪らなく旨い。また、春雨が韓国の冷麺のようにギュっとした噛み応えがあるのもポイントです。本日一番のお皿でした。
〆に「香辣里茶」。こちらもお茶と見せかけてハイボール的な楽しみ方です。
今回は2次会での利用だったので、3品しか注文できませんでしたが、「この店はすごいぞ」という片鱗は感じ取ることができました。とにかくメニューが多く、普通の人は馴染みのないマニアックな料理ばかりであり、写真入りメニューを見ても全然イメージがわからないのが面白い。これは大勢で来て色々と注文しまくりたいところ。オススメです。今度は腹を空かせてこないとね。
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三茶は店主の思い入れの強い哲学のあるお店があっていいですね。ちなみに三軒茶屋は「さんげんちゃや」ではなく「さんげんぢゃや」と読むのが正解です。これ豆な。
- 采(サイ) ←三茶で一番のお気に入り。美味しいツマミに日本酒1杯500円!
- 床島 ←元祖予約の取れない焼鳥屋。間違いのない味、かつ、割安。
- 香辣里(シャンラーリー) ←マニアックな料理ばかり。大勢でどうぞ。
- 夕(セキ) ←駅から少し歩くけど、高次元の料理にリーズナブルな日本酒。
- クチーナ イタリアーナ エンネ ←本格的なイタリアン。安く旨し。
- ペペロッソ ←手打ちパスタが絶品。イタリアのクラフトビールも楽しい。
- umbilical(アンビリカル) ←ゆるふわ系ワインバー。居心地がすごくいい。
- トロワ ←落ち着いた雰囲気のワインバー。ツマミがリーズナブル。
- 赤鬼 ←東京屈指の予約困難店。わかりやすく天狗で私は好きじゃない。
- ラルテ ←正統派ナポリピッツァ。ランチがお得。
- いざかや ほしぐみ ←味のある店内。安旨の代名詞。
- サンバレーホテル ←賛否両論。難易度の高いお店。
- 三軒茶屋飲み屋巡り vol.1 ←目次的まとめ。vol.2~と育てていきたいな。
三軒茶屋のことを広く浅く知るに打ってつけの本です。ポイントを押さえた情報がコンパクトにまとまっており便利。Kindleだと実質200円程度なので凄くお得です。