Origins 14 La Regalade/パリ14区

アラン・デュカスがオススメしていたビストロ。公式ウェブサイトやトリップアドバイザーなどには「Origins 14」というレストラン名として記載されているのですが、軒先には「La Regalade」と記されており、どちらが正式な店名は不明。
前夜でも予約を入れることができたので、それほど混雑していないのかと思いきや、大盛況の満員御礼でした。客のほぼ全員が地元民であり男性の割合が高いのが印象的。
今夜は泡ロゼ1本で通すことに。サクランボのような香りとスムーズな口当たり。複雑というよりはゴクゴク飲めるシャンパーニュでした。
全てのテーブルにドカンとテリーヌ型でブタのリエットが置かれます。パンに塗りたくってどれだけ食べても込み料金。挽き方が荒くハンバーグのような味わいであり、これだけで立派な料理です。
タマネギのピクルスも瓶ごと供されます。50席以上ある店を料理人2人サービス1人で回している少数精鋭部隊であるため、料理の提供は極めて遅い。その隙間を埋めるのが先のリエットとこのピクルスである。
私の前菜は牛のタルタル。先日のネギトロ的なそれに比べるとザックリとしたカットであり、何かにつけて熟成させた(?)ネットリとした卵黄がまぶされており、日本の焼肉屋のユッケに近い。ザアタル(Za'atar )という中東系のハーブミックスがちょっとしたスパイスです。
連れはブーダン・ノワールとコンテチーズのコロッケ。このブーダンは日本で食べるそれのようにクリアな味わいであり、目をつぶって食べるとまさか豚の血液が施されているとは思いもよらないでしょう。ブーダン初心者にオススメの逸品。
私のメインはホワイト・アスパラガス。ソースはオランデーズ(バターとレモン果汁を卵黄を使用して乳化し、塩と少量の黒コショウまたはカイエンペッパーで風味付けしたもの)、添え物はポレンタ(コーンミールを粥状に煮たペースト)。教科書通りの味わいであり基本に忠実に美味しい。ですが、ちょっとメインとしてはパンチが弱いかなあ。
連れはガッツリとした肉。均一で滑らかな火入れであり清澄な味わい。付け合せのマッシュルームやペコロスも丁寧な調理であり、メインにふさわしい迫力もありました。
デザートはスフレをチョイス。こちらもこれまでの料理と同じく王道中の王道といった調理であり、当店の料理人たちは若者ながら実に古風で好印象。ルバーブを散りばめ酸味をきかせた味覚であり、見た目以上にスイスイと食べることのできるデザートでした。
小菓子はマドレーヌ。こちらにも柑橘の風味がきいており素直に美味しい。ごちそうさまでした。
酒は人によって飲む量が異なるので何とも言えませんが、食事だけだとひとりあたり37ユーロです。質実剛健でハイクオリティなビストロ料理を4,000円やそこらで食べることができるなんて、やっぱりフランスはフランス料理好きにとって堪らない旅行先ですね。先述の通り気の毒なほど人手不足(割安な理由でもある)なので、時間に余裕をもって訪れましょう。


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