一般的な和菓子屋とは雰囲気が異なり、明るめの木がふんだんに用いられた内装。手作りの和菓子だけでなく、ビオ系の食材なども販売されています。
「イートインコーナーあります」との記述があったので、少し腰を落ち着けて味わいうことに。お菓子は300~400円が主力であり、メニュー表に「店内のお菓子とお飲み物 \500」と記載されていたので、当然にセットで500円と思いきや「いえ、お飲み物だけで500円です」と断りが入りました。実にわかりにくい。
であればお菓子だけでいいです、と伝えると、「中で食べるなら飲み物は必ず注文してください!ウチはカフェなんで!」と怒られました。瞬間冷却される店内の雰囲気。ピリつく空気。俺、そんな非常識なこと言ったかなあ。
それにしても、壁に板を張り付けてハイチェアをチョイチョイ並べただけの狭苦しいスペースを指して「ウチはカフェなんで!」は無いでしょう。雑誌の放り込み方など片付けられない人間の典型なのに、なぜその地位を主張できるのか理解に苦しむ。
しかしそこまで言うのであれば、と、「餡バタートーストセット」を注文。なのですが、他の物販対応が優先され、先に注文した私のオーダーは後回し。なんやかんやで20分近く待たされました。
仕方なしに連れとどうでも良い雑談に興じるのですが、「ゆうべさ、いや、今日か、朝の5時まで飲んでたんだけど。やっぱ酔っぱらうとヘンなテンションなるよね。帰りにコンビニでペヤング買っちゃってさ」それは楽しそうだ。でもキミね、この店がどういうお店かわかっているのかい?少なくともペヤングはダメだろペヤングは。
連れの大福「福巡り」が到着。ひとくち頂きましたが、なるほど「卵、乳製品、小麦粉、添加物不使用。素材は基本的に有機食材と無農薬・無化学肥料、グルテンフリー。血糖値を上昇させる白砂糖は使用していません」と肩書きの長さに反比例してさっぱりと控えめで上品な甘さです。餅はもち米ではなく餅玄米を用いているそうですが、ふっくらモチモチした食感が楽しい。
「餡バタートーストセット」。第一印象は「トーストが小さい」です。買ったばかりのポストイットぐらいの大きさでしかない。グルテンフリーブレッドらしいのですが、そもそものサイズ感が超フリーすぎて何だかなあ。まあ、これ系のお店は味覚の追求というよりは半分クスリやサプリを食べているようなものなので、大きさや費用対効果を論じるほうが無粋なのかもしれません。
ちなみにバターのような香りは本物のバターでなく、ココナッツオイルから作ったバター風味とのこと。それならバターでいいじゃん、と思うのですが、まあ、こういう世界を冷やかし半分で覗いたこっちに非がある。
久しぶりに他人に怒られ、微妙な雰囲気のまま狭苦しい「カフェ」に押し込められ、中くらいの味で費用対効果の悪いお茶をし、複雑な心境でお店を後にしました。
公式ウェブサイトでは「食べた後、心地よく、穏やかで幸せな気持ちになれる和のかしです。自分、家族や大切な人にも、巡り巡って美味しい幸せのおすそわけ。そんな小さなご褒美を愉しんでいただけたら嬉しいです。」との記載があるのですが、少なくとも私は怖い思いしかしていません。ラーメン屋のオヤジが怖いとか、町中華の女将が怖いとかの予見できる怖さではなく、予想外にメンタルにひんやりと忍び寄る恐怖感。
「オーガニックだかビーガンだか知らないけど、そこまでやってあの態度なら、あたしは一生不健康でいいや」とは彼女の評。お店を出ると、斜向かいのドミノピザが魅力的な香りを放っていた。
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