搭乗ゲートの時点でビジネスクラス以下と空間を分けているのが良いですね。一般的なエアラインは搭乗前に上級会員をズラりと並ばせますが、あれはちょっと色々ヘンだと思います。
今回の機体はターボファン4発の超大型旅客機エアバスA380。ANAがハワイ線に導入し話題となっていますが、他の航空会社では10年以上前から普通に飛んでいます。2階の最前方がファースト、続いてビジネスという仕様。ファースト8席、ビジネス48席、エコノミー461席。
航空ヲタ垂涎の1A席をゲット。このあたり私は詳しくないのですが、何でもチーフパーサー(JALだと白いジャケット着たお姐さん)がサービスを担当する座席だそうで、その機体の中ではまず間違いのない空間。
他のエアラインに比べるとパーティションが低く開放的な誂えです。窓はひとりあたり3つ用意されており、エコノミークラス換算で6席ほどを専有することになります。
ウェルカムシャンパーニュはクリュッグ。「シャンパンの帝王」と尊称され、数あるシャンパーニュの中でも最高級のうちのひとつ。一口飲んだだけでそれとわかる厚みのある風味が特長的。普通のレストランではグラス1杯5,000円〜といったところでしょう。
離陸前に用を済ませておこうとお手洗いに入ると何なんだこれは。四畳半はあろうかという落ち着いた空間に生の蘭とバラ。お洋服をかけるクローゼットまで用意されています。しかしながら肝心の便器が見当たらない。30秒ほどウロウロしていると、居酒屋のソファよろしく座面のクッションがパカっと開く仕組みであることに気づく。ちなみにハンドソープやハンドクリームはオランダの高級コスメブランド「RITUAL」のものでした。
座った画。飛行機なのにデカいテレビだなあと思いきや、座席から前に遠いためこれぐらい大きくないと画面の文字が読めないのです。足置きは椅子としても使用することができ、中央のテーブルを出して対面でビジネス・エコノミー席の秘書と打ち合わせする絵が目に浮かぶ。
座席ポジションを変えるボタンはシンプルで解りやすい。JALのファーストクラスはボタン類が多すぎて全てを理解するまでに小一時間を要しましたが、日本製の白物家電と同様、これは国民性というべき仕様なのでしょう。
アメニティセットはポーチーが「BRIC'S」で超カッケー。ヌメヌメとした革の質感がたまりません。アメニティそのものはイタリアの高級コスメ「MONTE VIBIANO」。普通に買えばこの1セットだけで何万円も要するのではないか
お食事の時間です。テーブルが麻雀台のように広く大きい。オットマンに座ることによりお連れ様と対面でお食事を楽しむことも可能です。
午前中のフライトであるため食事は朝食メニュー。ピンとくるものがなかったので、アラカルトでお魚の煮込み的なものを注文。
クリュッグからボランジェのロゼにシフト。ボランジェ初のロゼのリミテッド・エディションであり、ピノ主体で厚みのある味わい。リリースまで10年以上熟成させただけあって、記憶に残る味わいです。
少し胃袋に空きスペースがあったため牛肉のパニーニ的なもの。見た目通りの味わいであり特筆すべき点はありません。ラウンジでも感じましたが、カタール航空の課題は食事ですね。ハコやサービス、ワインは最上のものを用意しているのですが、食事が毎回ピンときません。
おやすみ前の〆には大好物のコチラ。ラウンジで飲んだものとヴィンテージ違いでした。
CAにベッドメイクしてもらいおやすみなさい。完璧なフルフラットであり寝具も上質。日本のビジネスホテルに比肩する寝心地です。パジャマは「White Company」製です。
目が覚めて肩と首をグルグル回していると、「後ろに広いバーエリアがある」と、CAさんにご案内頂けました。確かに広い。これが飛行機の中の設備とは信じがたい空間です。
ソファも広々。お友達同士で乗り込んでここで飲み会したら、飛行機の中だなんて忘れてすぐに着いちゃうんだろうな。
空いているビジネスクラス席も紹介して頂きました。ビジネスでも充分広く、ブリティッシュ・エアウェイズの長距離ファーストクラスと大差ありません。座席もフルフラットになるようですし、普通の感覚のヒトであればこのレベルで充分でしょう。
というわけで、ハコやアメニティなどカネで買えるものこそは豪華ですが、食事やサービスについては課題を感じたフライトでした。もちろん私の英語力の問題もあり、やはりJALなど日本勢を贔屓目に見てしまうきらいがある点をお忘れなく。
日本人がカタール航空を利用するのは最長でも7時間程度であるため(ドーハ→NYなんて普通の日本人は乗りませんよね?)、そういう意味ではビジネスクラスで色々と充分な気がします。「世界でトップクラスに豪華なエアラインのファーストクラスを試してみたい!」という動機に限定してどうぞ。
関連記事
- ファーストクラスで世界一周できたカラクリ
- ブラチェリア バーヴァ(braceria BAVA)/大門
- モテ男は複数の予約を入れておき、当日女の子に選ばせて、後はドタキャンするのがスマートという話
- 「男におごられっぱなしの女は風俗嬢以下だ」刃物でも抜くように夫は言った。
- 某高級鮨店において港区ババァが大暴走した話。
- 日本の男は皆ロリコン。フランスと日本のレストランを比較して抱いた違和感について。
- 悪いニュースと良いニュースがございまして、まずは悪いニュースから。貴店についての記事は書かせて頂きます。
- 高級レストランでナメられないためのマナー集
- もう疲れた。うどんが主食氏の事件について1日5回は聞かれる。
- 「東京タラレバ娘」状態に陥った女子を救うたった1つの方法
- 旦那の悪口を言う女は一生幸せになれない
- グルメブロガーの苦悩2017
- バレンタインに手作りチョコだけは勘弁して欲しい
- 「お代は結構ですから悪く書かないで下さい」とシェフに懇願された話
- 3ヶ月前にトラブった例の店からの電話が鳴り止まない
- 慶應生の逆襲、東京カレンダーへの報復
- ザ・レストラン by アマン/大手町
- 何そのクソブログ聞いただけで超読みたくねえ
- 麻布れとろ/麻布十番
- 若手のパリス・ヒルトンとBBQした結果www
- ミシュラン星付きレストランを200軒食べ歩いた私が成城石井でいつも買うもの
- UBERおよびLyftとタクシーの比較
「東京最高のレストラン」を毎年買い、ピーンと来たお店は片っ端から行くようにしています。このシリーズはプロの食べ手が実名で執筆しているのが良いですね。写真などチャラついたものは一切ナシ。彼らの経験を根拠として、本音で激論を交わしています。真面目にレストラン選びをしたい方にオススメ。