Crown LoungeとPetra Lounge/クィーンアリア国際空港(アンマン)

クィーンアリア国際空港での乗り継ぎ時間は5時間。市内観光に行けなくもないですが、ヨルダンというあまり馴染みのない国にビザを取ってまでバタバタ入国するのは果たして得策かどうか。ディナールという初めて聞く通貨に替えても使い切る見込みもなく、タクシーをチャーターして効率よく観光名所を巡る自信もない。何事にも保守的な私はそのまま空港に留まることにしました。

■Crown Lounge
https://www.rj.com/en/fly-rj/airport-lounges/crown-lounge
乗り継ぎデスクで案内されたラウンジがコチラ。ヨルダンという国家のフラッグ・キャリアの名前を冠したラウンジ(要するに航空会社のラウンジ)であるはずなのに、何だか妙に提携会社が多い。これは嫌な予感。
嫌な予感というものは的中するものであり、まず、スタッフの態度が非常に悪い。およそ客に対するもてなしの心というものは皆無であり、歓迎されているという空気は1ディナールも感じ取ることはできません。これがヨルダンという国のお国柄なのか、ロイヤル・ヨルダン航空の企業文化なのかは知りませんが、もうこの時点で回れ右して帰りたくなりました。
構造としては免税品売り場やレストランが入居するフロアの上階全てを吹き抜けで利用するイメージです。延床面積は広く、開放感だけはことさら強い。
一応いろいろとゾーンを区切ってはいますが、それは地図で宣言しているだけであり、実際の肌感覚としては悪い意味で全ての空間がシームレスに繋がっています。キャセイ・パシフィック航空の空間づくりは見事である。
ビュッフェコーナー。干からびた野菜と油の浮いた揚げ物がいくつかある程度。スーパーホテルの朝食のほうがよっぽど豪華です。
イスラム圏だからかこのラウンジのクオリティのせいなのかはわかりませんが、お酒のラインナップも最低レベル。wifiも遅く、空港が用意したフリーwifiのほうが速いくらい。
何よりも耐え難いのが下のフロアで工事が行われている点。建築にまつわるありとあらゆる騒音が盛大に奏でられてします。もちろんこれは当ラウンジの責任ではありませんが、悪い事というものは重なるものである。
そうそう、客層も良くありません。ありとあらゆるエアラインやカード会社のゲストを節操なく受け入れているため、その賑やかさは週末のフードコートを凌駕します。なんとか落ち着いた作業スペースを確保しようと「TV Suites」という満喫的な空間を利用したのですが、机(?)の奥行きが絶望的に狭く椅子の座り心地も悪いため、1時間でギブアップ。

航空会社名を冠したラウンジとしては史上最悪でした。このクオリティでワンワールドに加盟しているってのはちょっと図々しいなあ。


Petra Lounge
https://www.prioritypass.com/en/lounges/jordan/amman-queen-alia-international/amm3-petra-lounge
Crown Loungeから逃げ出し向かった先はPetra Lounge。コチラはダイナースやプライオリティパスなど、そっち系の人々が利用できる共用ラウンジです。フライトの3時間前からのみ滞在可能であり、きっちり時計を見て確認していたので割と厳格です。
おおー、人が少ない!「3時間前からのみ滞在可能」というルールが功を奏しているのでしょう。加えて「大人ゾーン」なども設けられており、フライト前にゆったりとくつろぐという本来の目的が見事に実現されているラウンジです。
飲み物の種類は少ない。特にお酒はワインが2本にビールが1本、スピリッツが少々といったラインナップであり、やはりイスラム圏での飲酒には無理があるようです。
時流に乗ってか、ラウンジエリアとダイニングエリアを明確に分けています。すぐお隣が喫煙ルームであり若干タバコ臭いのが残念。
Crown Loungeに比べると冷前菜が豊富。野菜も相対的に元気いっぱいに見受けられます。
Crown Loungeの揚げ物攻撃とは一転、温かいお料理は煮込み料理やスープ、ご飯物が中心です。
せっかくなのでいくつかつまんでみましたが、まあ、海外のホテルのビュッフェ形式のランチといったレベル。地元のクラフトビールも試してみましたがあまりピンときませんでした。

他国のラウンジに比べると指摘すべき点は多々ありますが、Crown Loungeに比べると段違いに居心地が良かったです。みなさんアンマンの空港ではPetra Loungeです。みなさんアンマンの空港ではPetra Loungeですよ。大事なことなので2回言いました。


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