バル恵比寿(Baru恵比寿)/恵比寿

「場所は目黒・恵比寿・十番のどれか。タパスがいい」と、やけに具体的なリクエストを頂戴し、バル激戦区の恵比寿で1・2を争う人気の当店を選択。「あたし、あんまり量を食べれないからさ。タパスなら色々注文できるでしょ?」胃袋の小さい女の子に悩みは尽きない。
開店と同時に入店したのですが、予約だけで全席を埋めていました。物凄まじい人気である。その後もひっきりなしにフリーの客が訪れ、入店できずに肩を落として帰っていく。訪れる際は必ず事前に予約をして行きましょう。
食べログのクーポンを見せればカヴァが1杯無料です。こんなにも人気があるのであれば、こんな大盤振る舞いは不要だと思うのですが、ありがたやありがたや。

アラフォー未婚の話、続く。「この前も飲みに行ったんだけど、お店のセンスが結構良くて、楽しくって、すごくお酒が進んじゃったのね。あたし、結構酔っぱらっちゃって、お手洗いに行ったの」
お通しはハード系チーズ(グラナパダーノ?)のスライス。旨味が強く簡単につまむことができるので便利な一皿です。

「そしたらあたし、トイレの中で寝ちゃったみたいでさ。20分経っても帰って来ないから、彼が心配して見に来てくれたみたいなのね」
「つぶ貝のアヒージョ」たっぷりのオリーブオイルにたっぷりのニンニク。背徳的な旨さがあるのですが、肝心のツブ貝は2粒しか入っていませんでした。旨いがストレスのたまる1皿です。

「あたし、カギかけないで、パンツずりおろしたまま、寝てたみたいなの。しかもそのパンツ、めっちゃ勝負パンツなの。真っ赤なやつ。もうあたし、お嫁に行けない」耐え難き屈辱を思い出した彼女は机に突っ伏して耳を赤くする。
アヒージョの油を吸うためのパンは、この手の店にしては結構な美味しさです。

まあまあ、こんなお酒の失敗談なんて、キミにとっては日常茶飯事じゃないか。今回の事件がその日に起きなかったとしても、いつかは起こしていたことだよ。地震みたいなもので、いつかは来るものだ。むしろ、早めにお披露目できて良かったじゃないか。ずっとおしとやかを通していて、プロポーズ直前にこの事件が起こってしまうのではダメージが大きすぎる。
ところで当店の店員はイケメン揃いなのですが、サービス内容は揃いも揃ってポンコツです。おしぼりの出し忘れなど序の口で、注文した酒は出し忘れるわパンは出し忘れるわ、キミたちのメモリは何メガバイトなのかと問いたい。大事なことでもないのに全て2回言う必要があるのは中々のストレスです。加えてミスが発覚した後に特段フォローも無く、あまりそういうことに興味のないお店なのでしょう。
「トリッパのトマト煮込み」。悪くないのですが、やはり量が少ない。当店の料理はその殆どが1,000円以下であり一見魅力的なのですが、ポーションが極めて小さいので、結局のところ値段相応です。
「春菊の香味オイルがけ」。油が跳ねないよう透明な下敷きを立てて油を流しいれる様は迫力満点であり、春菊の苦味と風味豊かな油の取り合わせは魅力的なのですが、やはり量が少ないというコメントに尽きます。
入店して1時間で「あと1時間で退店となりますので、肉料理とパエリヤはラストオーダーとなります」とのお達し。えー、2時間制なら予約の時点でそう言っておいてちょうだいよ。加えて「あと1時間です」「あと30分です」とカウントダウンされると雰囲気もへったくれもありません。客の注文は出し忘れるくせに、客を追い出すことについては天下一品なのが実に癪に障る。
「そら豆のチーズ焼き」。字面から受けた印象とは異なる料理が出てきましたが、これは嬉しい誤算。凝縮感と旨味の強いチーズをチビチビと切り分けながら、のんびりと飲むことができます。
メンチカツはかなり美味しい。しかしながら谷根千あたりの肉屋の軒先で売られている食べ歩き用と大差なく、サイズ感を踏まえると割高に感じました。

ちょっと食べて少し飲んで腹5分目でひとりあたり5,000円弱。恵比寿という立地を考えれば、まあ、こんなもんでしょうか。しかしながらサービススタッフのポンコツぶりと各皿のポーションの小ささ、2時間きっかりで追い出されるのは大幅な減点要因。しっかり食事をしに来るというよりは、0次会や2次会向けのお店でしょう。


食べログ グルメブログランキング

関連記事
一時期スペイン料理にハマって有名店は片っ端から訪れました。印象に残ったお店を大公開!
なぜスペイン料理が料理界を席巻したのかが手に取るようにわかります。日本が観光立国となる手がかりも随所に散りばめられており、高城剛って懐が深いなとシミジミ。

関連ランキング:スペイン料理 | 恵比寿駅広尾駅代官山駅