海のクルーズ旅行については主要な海域を行き尽くしてしまったので、いよいよリバークルーズに手を出します。
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リバークルーズは重厚長大豪華絢爛な海のクルーズと異なり、移動距離が少なく、揺れが小さく、船が小さく、乗客も少ないという特徴があるそうな。
船会社はフランスはストラスブールの「CroisiEurope」を選択。代理店施策を取り入れる海のクルーズ会社が多い中、「CroisiEurope」はホテルを予約するかのように、ウェブサイトから直接予約できるので便利です。■航路
「ファーストクラスで世界一周できたカラクリ」で述べた通り、私はパリに立ち寄る必要があったので、リバークルーズにおいてはパリを出発しパリに戻ってくる航路をチョイス。ちょうどゴールデンウィークの時期でもあったので妻も日本から合流。
■チェックイン
エッフェル塔の南西セーヌ川左岸、「Paris Yacht Marina」あたりからの出航です。
レセプションが実にコンパクト。海のクルーズであれば空港での出国検査も兼ねているため大掛かりな設備と検査を要するのですが、リバークルーズであれば乗り込んで予約票見せて3秒で終わりです。カラオケよりも簡単なチェックインでした。
■デッキプラン
乗り込んだのは「MS Seine Princess」という2階建ての小さな船。乗り込む人間の数は160のみ。6,000人も乗り込む海のクルーズとはまるで別物と捉えたほうが良いでしょう。
部屋の数は70弱。スイートルームは数えるほどしかなく、乗客みんなが同じクラスでの乗船であるため、海のクルーズほど格差を感じることはありません。スタッフも人を見て対応を変えるということは一切なく、実に家族的です。
■部屋
我々の部屋は1階。喫水線が低く港のコンクリよりも窓は下。部屋は20平米弱と望外に広い。ベッドは陸上のホテルと同等の大きさであり、寝心地も中々のものでした。wifiが無料なのが良いですね。海のクルーズだととんでもない費用がかかるので。
化粧台にドライヤーもあります。お水も無料。ノルウェイジャン・クルーズ・ラインのように、こういった部分で小金を稼いでくることはなく実におおらか。ちなみにラウンジへ行けばお酒やコーヒーなども全て無料の飲み放題です。ウェルカムチョコレートがびっくりするほど美味しく、さすがはフランス船と感激しました。
クローゼットも航続距離にしてはかなり大きい。スーツケースはベッドの下に片付けることができ、およそ収納について不自由することはありませんでした。ちなみに洗濯機やクリーニングサービスは無いのでご注意を。
バスルーム。こちらは必要最低限といったところです。船の共用部分にトイレやお風呂はないので、用は全て自室で足す必要があります。
■デッキ
海の客船のデッキにはプールが誂えられているのが定番ですが、今回は小型のリバークルーズ船であるためサンデッキのみ。パリは5月と言えども朝晩の気温は1ケタ台となるため、あまりデッキで日光浴、という雰囲気ではありません。
■ラウンジ
一般的なクルーズ船は食事やソフトドリンクは込み料金、アルコール類は別料金であることが殆ど。しかし今回の船はお国柄を反映してか、アルコールも込み料金です。
4泊5日飲み放題と言われると、意外に飲まないものである。
乗船直後のウェルカムパーティーが始まりました。当イベントやガラディナーの前のアペリティフなどについては、飲み放題メニューとは別にシャンパーニュやオシャレなカクテルが振舞われたりもします。160人のうち我々ふたり以外は全員フランス人。人生最大のアウェー。ご丁寧に「外国からのご参加はおふたりだけで、日本からいらっしゃいました!」と皆に紹介されました。日本代表として品行方正に振る舞わないと。
■食事
海のクルーズであれば2回転総入れ替え制であることが多いですが、当船はやはり小規模であるため1回転です。クルーの数も限られており、さっきまでラウンジで働いていた方々が今度はレストランでサーブするなど総力戦。これは良いシステムですね。互いの認知も早まり距離も近い。
ある日の前菜。160人一気出しであるため前菜は作り置きであるものが殆ど。また、「今夜の食事は20時からです」というアナウンスがあったとしても、実際に最初の料理が供されるのは21時ぐらいであり、それまでは酒でも飲みながら談笑するというフレンチスタイル。アメリカ系の船とは勝手がかなり違うので気を付けましょう。
ある日のメイン。この肉は抜群に美味しかったなあ。小さな船と言えども、この肉質この火入れを実現するのは見事としか言いようがありません。冒頭の記載の通り、私はかなりの船会社を経験しているつもりなのですが、その中でも当船の食事のクオリティが一番に感じました(と言ってもロイヤルホスト程度だけど)。
さすがはフランス船。前菜+メイン+チーズ+デザートという流れを死守します。寄港地のご当地チーズをきちんと出すのがいいですね。この日はポンレヴェック(Pont-l'Eveque)でした。
デザートも船の割には結構凝ってます。この日はゲストひとりひとりにタイミングを合わせて焼きたてのクレープが提供されました。くどいようですが、船の上という限られた環境において160人一気出しでこのクオリティの確保は見事としかいいようがありません。
ちなみに朝食は日本のビジネスホテル程度のビュッフェ形式であり、ランチは夕食よりもやや軽めといった仕様です。
■航路
これまでのクルーズ経験とはかなり勝手が異なり、新鮮な気分で4泊5日を過ごすことができました。乗客への説明事項はフランス語の後に英語も付与する仕組みだったのですが、どうも英語のアナウンス時に盛り下がることを悟ってか、途中から我々の隣に通訳としてスタッフが付き個別に説明をしてもらえることになりました。それぐらい、フランス色が強烈な体験です。
とにかく注目されました。我々の一挙手一投足すべてに目を向けられ、何かと声をかけられるので中々気が休まりません。ただしその視線や声色は全て温かいものであり、「遠くからわざわざ来てくれてありがとうな。どうだ?俺たちのフランスはいいだろう?」というニュアンスがひしひしと伝わってきます。
最終日の下船時、皆は空港や駅まで乗り合いバスで移動するところ、若い我々はさっさとチェックアウトするのですが、その際に皆が手を振って見送ってくれたのは良い思い出です。芸能人など人目を気にする方々はこういう旅行をすればいい。日本人に見られることなんてただの1度もないのだから。
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