「日本酒のペアリングに拘ったお店がいい」とのリクエストだったので、であればすし初一択です。
まずは発泡の生から。シュワシュワと爽快な口当たりに飲み口はマイルド。まさに大人のカルピスサワー。
カリフラワーのすり流し。すり流しって本当に美味しいですよね。このコンセプトは日本人として大事にしたいところ。今度飼うペットの名前は「すり流し」にしよう。
ホタルイカ。旨味と苦みが凝縮されており、酒飲みに食べられるために生まれてきたような個体です。香りの良い海苔と共にパリっといきます。
長野の小布施ワイナリーが、雪でブドウ畑がどうしようもない時期にワイン造りから離れて趣味で造る酒。趣味とは思えない堂に入った味わい。
下仁田ネギと何かを掛け合わせたネギを天ぷらで。トロっとしたエキスからネギの爽快感が滲み出ます。
これは物凄くキレイなお酒ですねえ。水のように清澄で、するすると五臓六腑に染み渡っていきます。ワインが好きな人であれば絶対にハマる味わいでしょう。
まずは軽めのお刺身から。お醤油もあるのですが、私は全て塩でさっぱりと頂きました。
米を削る機械のメーカーと酒蔵のコラボ作品。上手くタンパク質だけを除去する技術を用いて、精米歩合〇%といったスコア以上の削られた感を実現したお酒。精米歩合は60%なのですが、なるほどそこらの大吟醸よりもキレイな味わい。吟醸や大吟醸などのジャンル分けの概念を無力化する試みでした。
濃い系のお刺身へと移ります。ググっと鉄分が厚みを増してきました。厚切りのお刺身っていいですよね。魚食べてるって実感が増してきます。
濃度の強い刺身にはバリっとストロング系のお酒へ。熟成感が強くお米の風味も濃い。日本酒好きであれば堪らない味わいでしょう。
特大の金目鯛。これは豪勢すぎて声も出ません。煮汁はそのほとんどが日本酒であり、魚と日本酒だけでこんなスープができるんだと思わず目を丸くする。身離れも良くモリモリ食べれる個体であり、何とも贅沢な一皿でした。
4番サード而今。やはり私はこの酒蔵の作品が好きだ。その愛着は「而今」とPCに辞書登録したほどである。
私の長いすし初体験において、おそらく初めて食べる料理です。ブリにタレをつけて炙り、パパっと山椒の風味もきかせています。ポーションも100グラム以上はありそうで、まさにムシャムシャと気前よく食べることができるのが嬉しい。本日一番のお皿でした。
度数が低いのかなあ。思いのほかスイスイと飲めてしまうお酒です。それでも米の厚みは強く、しっかりとした飲みごたえも感じられる。好きなベクトルの日本酒だ。
エビのサイズが大きくなってきました。火の通りは頂点の一歩手前であり、強い甘味とジューシーなエキスを湛えています。
アサリが美味しい。煮ハマグリに近しい仕様ながらもアサリ特有の凝縮感があり、味もしっかり沁みていて酒のツマミに最適です。
別の而今へと移ります。梨を感じさせる芳醇な香りにクリアな飲み口。上品な甘さに嫌味の無い後味。飲み飽きることがなく、実に美味しい1杯です。
ブリは霜降りというかサシというか、食べ応えのある脂がしっかりと入っており、まるで肉のような味わいの魚です。
すじ抜きはやはり何度食べても美味しいですね。無駄な繊維は丁寧に取り除かれており、マグロが液状化現象を起こしています。本当に、溶ける。歯が弱くなってもこれは食べれるぞと胸をなでおろす。
ウニは色合いこそビターですが、グっと深みと重みのある、密度の強いものでした。酒のツマミとなりうる鮨。今夜もごちそうさまでした。
今夜もいっぱい飲んだなあ。やはり鮨には日本酒ですね。当店はにぎりが出る前にツマミが延々と出続けるため酒飲みには堪らない楽しみ方ができます。今回はある種かしこまった関係での来店だったので余所行きのボリューム感でお願いしましたが、来週は真正の飲み仲間と共になので、たっぷりボリュームでのお届けです。お楽しみに。
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鮨は大好きなのですが、そんなに詳しくないです。居合い抜きのような真剣勝負のお店よりも、気楽でダラダラだべりながら酒を飲むようなお店を好みます。
- 鮨さいとう/六本木一丁目 ←価格設定に色々と考えさせられる。
- 東麻布天本/赤羽橋 ←欅坂46のような鮨。
- 鮨水谷/銀座 ←その先入観を完全に覆す、鳥肌が立ち涙が出るほどの美味。
- 紀尾井町 三谷/永田町 ←単純計算で年間3億円近い売上。恐ろしい鮨屋。
- 鮨舳/瓦町(高松) ←真っ当な江戸前。銀座の半額で何度でも通いたい。
- 天寿し/小倉 ←何度でも行きたいし、誰にでもオススメできるお店。
- 鮨 安吉/博多 ←お会計は銀座の半額。ミシュラン2ツ星は荷が重いけれども、この費用対効果は魅力的。
- ひでたか/すすきの ←鮨は好きだけどオタクではないライト層にとっては最高峰に位置づけられるお店。
- 鮨 田なべ/すすきの ←フォアボールで出塁した感じ。
- 鮨 志の助/新西金沢 ←とにもかくにも費用対効果が抜群すぎる。
- 小松弥助/金沢(石川) ←「まごころでにぎる」を体現する鮨屋。
- 太平寿し/野々市(石川) ←金沢の人が東京で鮨を食べると頭から湯気を出して怒るに違いない。
この本は素晴らしいです。築地で働く方が著者であり、読んでるうちに寿司を食べたくなる魔力があります。鮮魚の旬や時々刻々と漁場が変わる産地についても地図入りでわかりやすい。Kindleとしてタブレットに忍ばせて鮨屋に行くのもいいですね。