何から何まで真っ白な店内。かつてはベーコンの薫製工場だったそうですが、見方を変えれば病院のようでもあります。開店後1時間もすれば近場のビジネスマンを中心にほぼ満席。会食などで利用されることが多いように見受けられました。
ワインが主軸のお店のようですが、地元のビールはあるかと問うと、自信満々でメニュー外からお持ち頂けました。これが、旨い。まさにクラフトビールといった出来栄えで、ホップ香りが豊か。程よい苦味と確かな飲みごたえで、本日一番のお皿(?)です。しかもパイントサイズで800円程度という価格設定。さすがはビールでまわっている王国である。
一番人気の「脊髄サラダ」。サラダといっても歯の大きいパセリがチョイチョイある程度であり、ぎょっとするようなサイズの脊髄がその地位を主張しています。さすがは「鼻先からしっぽまで」をコンセプトとした店。
背骨がアッツアツなのでナプキンで掴みながら、カニ肉をほじくりだす細いフォークなようなもので脊髄エキスを取り出します。ああグロい。手もベタベタや。味は予想通りの脂たっぷりホルモン系。苦労の割に果実のないサラダでした。
メインは牛ハツを注文。牛タンのようにスライスされたハツが300グラム近くはありそう。味はそこそこ。おにまるの牛ハツ串のほうが私は好き。アイオリソースもニンニクの風味が強すぎて、ソースというよりもニンニクでした。チップスはグッド。さすがはジャガイモでまわっている王国である。
デザートにアイスクリームを注文。馴染みのないハーブのような風味で面白い。サイズもソフトボール級であり、値段も数百円とリーズナブル。
総額では税とチップを入れて7,000円弱。物価の高いロンドンで、モダン・ブリティッシュの旗手の料理をこの価格で楽しめると考えれば、まあこんなもんでしょうか。
レストランエリアの外にカフェ&バーコーナーがあり、ここでは予約もいらない模様。予約の際にはドタキャン防止にクレジットカード番号を入力する必要があるので、何かとトラブルの多い旅行者にとってはカフェ&バーコーナーでの利用のほうが精神衛生上良いでしょう。
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「東京最高のレストラン」を毎年買い、ピーンと来たお店は片っ端から行くようにしています。このシリーズはプロの食べ手が実名で執筆しているのが良いですね。写真などチャラついたものは一切ナシ。彼らの経験を根拠として、本音で激論を交わしています。真面目にレストラン選びをしたい方にオススメ。
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