Bocca di Bacco Theater District/Hell's Kitchen(NY)

MBA取得後、数年前からNYの金融機関で働いている後輩。NYに行くから食事でも、と連絡すると秒でアレンジしてくれました。
45stから9Avを数メートル南。同じ店名の支店(?)近所にいくつかあるので間違えやすいので気をつけましょう。私は間違えました。
12時開店であり、予約と同時に入店したのですが、店内はガラガラ。13時を過ぎても客は2割の入りであり、家賃を考えるとこんなんでやっていけるのかなあと、他人事ながら心配になる。

連れに会うのは数年ぶり。少し体が引き締まり、肌のツヤが良くなった気がします。「旦那がようやくPhD取れて。これでようやく少しは生活がマシになるかな?」
お通し(?)のパンが結構美味しい。少しスパイスが入っているのか奥深い味わいがあってハマる。付け合せのサルサソース(?)も味変にちょうど良いです。

「いやー、NYは本当に何でも高いですね。ウチなんてワンベッドルームのボロアパートなんですけど、それでも家賃は3,100ドルですからね」
20ドル弱のプリフィックスメニューを注文し、前菜に読み方と内容がわからないものを選択したのですが、期待以上のボリューム感。平たく言うとムール貝とアサリのトマトソース煮込みであり、アメリカらしく大味ではありますが、この量を前にすれば心が満足してしまうのも事実です。

「ランチは座って食べるだけで25ドルは覚悟しないと。なので毎日、日本食屋が売り出している弁当を買ってオフィスで食べてますね。それでも10ドルもする。日本のコンビニだったら300円ぐらいの美味しくないものなのに」
メインには店名を関したハンバーガーをチョイス。バンズがパニーニのようで面白い仕様ですが、味そのものはイマイチ。パティも質の悪い肉が粒子細かく固められており、肉を食べている感に乏しい。加えてミディアムレアを指定したはずなのに、親の敵のようにカチンカチンに火が通っていました。ポテトだけは表面がザラついた感じで悪くない味わい。

「飲み屋も高いですね。ちょっとオシャレな店だと1杯20ドルとかします。このあたり(ヘルズ・キッチン)はかなりリーズナブルで、1杯4ドルの店とかもありますよ」
ティラミスも量は多いですが味わいが雑ですね。砂糖の味が支配的であり、生地にも粗さが目立つ。日本のコンビニスイーツのほうが遥かにマシと言えるでしょう。

「あと、ゲイバーで飲むと安くつくことが多いですよ。別にゲイじゃなくても入ることができる。NYは色んな人がい過ぎて、いちいち個人の価値観を問うたり、正したりなんかしないんですね」多様性、このキーワードはNYに来てから本当に良く聞きます。アメリカは世界中の嫌われ者ではありますが、やはりこういう部分は見習わなければなりません。
それでもこの雰囲気でこれだけ食べて、チップを入れてひとり3,000円を切るのは悪くない費用対カロリーでしょう。カロリーを体よく摂取したい場合にどうぞ。

今度は日本で旨い鮨でも食おう、と、再会を約束し硬い握手でお別れ。色々と大変そうだけど、トータルでは何だかんだ幸せそうじゃん。ほっと胸を撫で下ろし、後輩の背中を見えなくなるまで見送りました。


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