オープンキッチンをぐるりと取り囲むカウンター席が15近く、その他テーブル席もいくつかあり、トータルで40席近くある結構な大箱です。鴨を用いた火鍋はテーブル席限定のメニュー。
ワインペアリングはシャンパーニュも含んで4,500円とリーズナブルなのですが、オレンジワインやお茶のカクテル(?)などイマドキなラインナップであり斜に構えてしまう。まずは国産のクラフトビールで様子見です。
前菜盛り合わせ。右手前は生春巻き。鴨の生ハムに少しばかりのキャビア。生ハムの味わいは悪くないのですが、春巻きの具材がイマイチ。奥は鴨のレバーペーストが入った最中。鉄分が前面に押し出された濃厚な一口であり赤ワインが欲しくなる。左は鴨のよだれ鶏風。力強い鴨の味わいの濃密な調味。こちらはビールが欲しくなる。
蒸し野菜。決して不味くはありませんが、ストーリーが見えない意図が不明な一皿でした。
藁焼きの鴨。藁焼きのスモーキーな香りが食欲をそそる。鴨肉も部位によって印象が異なり、おお、鴨を食べてるぜ、という気にさせてくれる逸品。
小籠包。手前はプレーンな鴨肉、奥はフォアグラやらイカスミやらが色々混ぜ込まれています。コンセプトを考慮に入れるならば、鴨の味わいを最大限楽しむことができるプレーンなほうがグッド。黒い方は悪くはないのですが、どうも流行りもののような印象を受けてしまいます。
麻婆ブラータ。これは2019年2月度で最も意味不明な一皿ですね。鴨の挽肉を麻辣風に調味し、ブラータ(モツァレラに似たチーズにクリームが練りこまれたような食感のフレッシュチーズ)をトッピング。意外な組み合わせを狙っただけであり、風味の調和という意味では0点でした。
クレソンの炒め物。連れは中国にゆかりのある人物であり、その彼女から「お、これは中国で食べる青菜炒めそのものだ」と高評価。程よい苦味に鴨の脂がじんわりと染み渡り、シンプルながら印象深い一皿でした。
酢鴨。黒酢の酢豚の鴨バージョンです。これはわかり易く美味しいですね。鴨のギュっとした歯ごたえに濃い肉質。直感的に旨いと取れる黒酢あん。欲を言えばもう少しポーションを。
カオマンガイならぬカモマンガイ。米の香りが素晴らしいですね。鴨の出汁が米の一粒一粒に染み渡っており、トップの鴨肉よりも米そのものを味わう料理。本日一番のお皿でした。
デザートはマンゴープリンか杏仁豆腐かをチョイス。半分づつ交換こしたのですがいずれも味は中々のもの。量がコンニャクゼリー1杯ほどしかないのが玉に瑕。
お会計はお酒抜きで6,000円ほど。うーん、ちょっと高いなあ。皿数はそれなりに多いのですが、いずれのポーションも極めて小さく乳酸が溜まる。また良い皿とイマイチな皿の差が激しく、それをセットで販売されるのも自由度が小さい。いずれはアラカルトでの提供も始まるそうなので、その際に「青菜炒め」「酢鴨」「カモマンガイ」だけをガツンとしたポーションで食べると、印象はかなり異なるんじゃないかと感じました。しばし静観。
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