空也(くうや)/銀座

心意気や気持ちが最も伝わる手土産と言えば空也(くうや)。創業130年。「吾輩は猫である」にも登場するなど、夏目漱石をはじめとする文豪や梨園の人々が贔屓しつづける伝統の最中。銀座を語る上で空也を知らない人はモグリです。
「ここ銀座で、安くて美味しく、体に優しい安全な和菓子を出来る範囲でつくり、その日のうちに売り切る」のをモットーとし1日の販売数は7,000個に限定。発送・配達などは一切行わず、実際に店舗に来ないと買うことができない幻の和菓子です。クレジットカードなんて死んでも使えません。
行けば買える、というわけでもなく、事前の予約が必須であり、随分先の日程まで売り切れ状態。かと言って電話をすれば予約できる、というわけでもなく、全然電話が繋がりません。私の場合など、時間を変えて10回以上は鬼電したのですがサッパリ繋がらず、もう面倒になったので直接店舗にお邪魔して予約しました。
第一印象はシンプル。もはや素材、だと言っても良いほど極限まで追求された素朴さです。わざとらしい甘さは一切なく、ああ、これが本来の小豆の味なんだなと思わず唸る朴訥な味わいです。実に気軽であり、リラックスしてパクパク食べることができる甘味。私は10分で4個も食べてしまいました。
もちろん1個100円という価格なので味覚に限界はあり、欧米系の華やかでややこしい菓子とは音楽観がまるで異なるため同じ土俵で比べるわけにはいきませんが、これはこれでありよりのあり。
日持ちするというのも手土産として最適ですね。保存料・添加物等は一切使用していないものの、小豆と砂糖を充分に込んでいるので1年を通じて常温で1週間はもちます。時間が経って硬くなった場合は5~6個まとめて手鍋に入れて水を加えて煮れば立派なおしるこに。
10個入りで1,000円。こんなに意義深い1,000円はないでしょう。30個入りからは木箱にも入れてもらえるので、お持ちした先で山分けされる際に「あの人はよくわかっている人だ」と、あなたの株がウナギ登りとなること間違いなし。銀座近くに住んでいるのであれば毎週数箱は自宅に常備しておきたいレベルです。オススメ!


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