座席数は30ほど。テーブルクロスのないカフェのような雰囲気でありカジュアルな印象。この日は「デイライトランチコース」として2,500円のセットメニューを注文しました。
ドリンクメニューに目をやると、「鮮度、温度、泡、グラスの全てにこだわり抜いたビール」と自信たっぷり。ここまで言われるとビール好きとしては注文しないわけにはいきません。
が、供されたビールは至って普通のビールでした。決して不味くはありませんが、ビールはビールです。「CILQでは極上のビールを雑味なく味わって頂く為に最新鋭の洗浄機により磨き抜いたクリアなグラスを使用しております。工場から出荷直後の鮮度、泡と温度にこだわったCILQの生ビールをお楽しみ下さい」とのことですが、そもそもこのグラスはビールを飲むに最適なグラスなのでしょうか。個人的にはもっと薄いグラスのほうが繊細な泡の口当たりを楽しむことができると思うのだけれど。いつだって約束を破るものほど饒舌なものである。
最初にスープ。冒頭の料理説明の際には「ニュージーランド産の天使海老を用いた~」のように、海老好きの私を随分と扇情してくれたのですが、何のことはない、少々甲殻類の風味のついたマッシュルームスープでした。ベーシックには美味しいのですが、どうにも期待ギャップを消化しきれない。
有機野菜のCILQサラダ。パプリカを主軸に下にはたっぷりのクスクスが。見た目通りの味わいであり特筆すべき点は無いのですが、「身体に優しく、それがCILQの料理の原点になっています」のように、やはりいちいち暑苦しい。
米粉のパン。ほんわりと温かくプレーンな味わい。食事を邪魔しないフラットな味わいでした。
メインは大山鶏。やはり「こちらはブランド鶏の~」のような説明が長ったらしくついている割に、味覚そのものはクルーズ船のダイニングで出てきそうなクオリティです。決して不味くはありませんが、いちいち大げさ。
「Champagne & Wine List シャンパン & ワインリスト」から選んだロゼ。普段であれば目くじらを立てることはないのですが、やはりここまで色々と言葉に拘られると、いやいやシャンパンはワインだから、と意地悪な感想が頭がをもたげる。
〆はスペシャリテの「6穀米の焼きリゾット」。感覚としては最後に頂く焼きおにぎり茶漬けえあり、とろんとした洋風のスープが五臓六腑に染み渡る。本日一番のお皿でした。
デザートはコーヒー風味のブランマンジェにコーヒー風味のアイス(だっけ?)。コーヒー牛乳プリン的優しい味わいです。
最後のコーヒーは結構美味しい。ハーブティなども選択することができ、また、食後はダベっていても放っておいてくれるので、居心地のよいカフェのように過ごすことができました。
色々と損をしているお店だと感じました。フラットな気持ちで臨めば2,500円のコース料理としては悪くない。しかし全般を通して説明が長ったらしく、「アンティークな仏料理とは一線を画す新たな挑戦」「料理のジャンルを超えた試行錯誤がCILQの礎となっています」のような大言壮語が気になってしょうがない。耳障りの良い言葉を並べたところで客だってバカじゃないぞと反発したくなる。
そもそも、このコピー書いた人、本当にフランス料理を理解しているのかなあ。あまりに安っぽいフレーズが並ぶので「アンティークな仏料理って何?」「試行錯誤って具体的に何をしたの?」のように圧迫面接したくなる。運営会社の姿勢が論点となったランチでした。
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