シェフは「ポール・ボキューズの自宅で寝泊まりしながら修業をした」とのことですが、その甲斐もむなしく店内はガラガラでした。レストラン経営って難しい。
前菜・スープ・メイン・デザートの「LUNCH B」に泡を1杯注文。ブルゴーニュのロゼのクレマンであり、見た目以上に力強い味わいで結構好き。
前菜はカツオ。大振りにカットされた逞しいカツオがワシャワシャと食べ応えあり。ソースはマヨネーズであり、酸味と卵の力強さが感じられる、はっきりとした味わいのものでした。
パンは一般的なものですが、都度、温めてお持ちいただけます。パン皿はなくクロスに直接置くスタイルでありフランスそのもの。
カボチャのポタージュ。奇をてらうことのない、実にクラシックな1皿です。カボチャの程よい甘味と恰好の良い塩気のバランスが良く、私、ここの味付け好きあるね。
メインは牛ハラミのステーキ。これがフランス料理だ、と言わんばかりの迫力のある1皿です。やはりスペイン勢の影響で過度に装飾的になったフランス料理よりも、こういう真剣味のある芸風のほうが私は好きだ。ソースはマスタード主体。これまた先のソースに通じる酸味の豊かさがあり、付け合わせの野菜と合わせるともう絶品。
デザートはフランボワーズのアイスにイチゴのパイ。いずれも基本に忠実、安心安定の味わいです。ポーションが結構大きいのも私好み。
コーヒーを飲んでごちそうさまでした。質実剛健で、私の好きな系統のフランス料理でした。私は好き。ですが、人をお連れするとなるとどうでしょう。料理や内装などすべての面において時代に取り残されている印象があり、ガラガラで活気が無く、おそるおそるな雰囲気に満ちています。
フランスへ何度も訪れているような方であれば喜ぶ空気感ではありますが、あまり外食に慣れていないワンチャンあるかもしれないギャルにはワンチャンないかもしれません。通好み。ひととおりフランス料理を食べ込んだ仲間と共にどうぞ。
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