店内はこれぞビストロといった風情。席数は20チョイといったところでしょうか。1人客はカウンター席に滑り込めるからか、ピークタイムであっても待たずに入店することができました。
ランチタイムの最低価格は1,280円と強気の価格設定です。もちろんきちんとしたビストロのランチとしては適正価格。あるいはこのメニュー構成で一通り食べて2,500円税サ込というのは割安ではないかと考えコースで注文。
パン。バターでなくリエットが出てくるのが嬉しいですね。パンそのものの味わいは中くらいですが、正統的なリエットの味覚の存在が大きい。秒で食べきるとすぐにもう1セット、リエットも新品で持って来てくれ、随分と気前の良いお店です。
コーンスープ。リッチなクリームとコーンの粒の触感で飲み応え抜群。やや甘味が強すぎるきらいがあり、最初の一口としては重く感じる人もいるかもしれません。
前菜は「美食家風サラダ・グルマンド + キッシュ・ロレーヌ」 。うわーお、これは物凄いボリュームです。なんでもかんでも二郎盛にしたというわけでは決してなく、キッシュなど堂に入った美味しさです。キャロットラペ、鶏肉入りのポテサラ、サーモン、パテドカンパーニュ、ハムなどビストロ料理のスター選手たちが百花繚乱。並のOLであればこの1皿で満腹でしょう。
メインは「本日の鮮魚ポワレ 濃厚なスープ・ド・ポワソンで」を選択。本日の鮮魚はマダイでした。魚の身はスマホ1台強はありそうな大サイズ。スープ・ド・ポワソンも凝縮に凝縮を重ねたドロドロ具合であり私好み。ワガママを言えば魚の量を減らしてもっとスープを味わいたかった。
デザートはショコラテリーヌ。クリームはマスカルポーネチーズです。見た目通りのヘヴィ級の味わいなのですが、きちんとカカオの風味が強い。この価格帯のお店としてはかなり高品質なクーベルチュールを用いているのではなかろうか。激しく甘くはありますが奥行きも感じさせる上質な甘味でした。
コーヒーもきちんと美味しい。専門店で500円は取れるレベルです。
驚きのクオリティでした。2,500円税サ込でこれは凄い。夜なら5,000円請求されても納得しそう。そういえばお隣の「ステーキ&トラットリア カルネジーオ」も驚愕の費用対効果を誇るので、もしかするとこのビルは家賃がめちゃんこ安いのかもしれません。立地を考えるとそれぐいらい違和感のある食後感でした。もちろんポジティブな意味で。
基本に忠実な料理の美味しさはもちろんのこと、サービスの空気感も素敵ですね。カウンター席だったので厨房の様子が丸見えだったのですが、スタッフの仲がとても良く、ニコニコと楽しそうに仕事をしている様が心に残りました。良い会社だなあ。星付きだの予約困難話題店だのは二の次で、やっぱりこういう雰囲気の良い職場が一番ですね。それは食べる側にとっても。
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「好きな料理のジャンルは?」と問われると、すぐさまフレンチと答えます。フレンチにも色々ありますが、私の好きな方向性は下記の通り。あなたがこれらの店が好きであれば、当ブログはあなたの店探しの一助となるでしょう。
- ガストロノミー ジョエル・ロブション ←最高の夜をありがとう
- アピシウス ←東京最高峰のレストラン
- ナリサワ ←何度訪れても完璧
- ナベノイズム ←世界観がきちんとある
- ル・マンジュ・トゥー(Le Mange-Tout)/神楽坂 ←接客は完璧。料理は美味そのもの。皿出しのテンポも良く、とにかく居心地の良いお店。客層も好き。
- SUGALABO ←料理だけなら一番好きかも
- エクアトゥール ←天才によって創られる唯一無二の料理
- ete(エテ) ←美食の行き着く先はお抱えの料理人
- レヴォ ←人里離れた場所にありながら、日本いや世界でもトップレベルのフランス料理店
- フロリレージュ ←間違いなく世界を狙える
- アサヒナガストロノーム/日本橋 ←そこらのフランス料理店とは格が違う。
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- ティエリー マルクス ←料理の良さはもちろんのこと、ワインのペアリングが見事