香港と言えばこの夜景。香港島のヴィクトリアピークという観光地からの眺めであり、そこへのアクセスは ピークトラム(Peak Tram)で向かうのが定番。
なのですが、最近は中国人観光客がめちゃんこ増えたため、僅か数分のトラムに乗るだけで1~2時間の行列(写真は下山時の写真)。在住者からは「タクシーがいいよ」と強く推奨されたのですが、私は根っからのタクシー嫌いであり、特に急ぎの用事も無かったので、ちょっと変わった観光にチャレンジすることに。
そう、ヴィクトリアピークまで徒歩で登るという挑戦です。
まずは中環あたりにある「ヒルサイド・エスカレーター(中環至半山自動扶梯)」で山の中腹を目指します。中環をブラブラしていると嫌でも目に入り、途中から合流することも可能なエスカレーターなので、見つからずに迷うということはまずないでしょう。世界一の長さを誇るこのエスカレーター。高低差135m全長800mを23基で23分かけて乗り継ぎます。通常は上り運転なのですが、朝の通勤時間帯のみ下り運転。
たまに修理中か何かで通行止めのエスカレーターもありその区間は軽く地獄です。
エスカレーターの終点に到着。ここから「干徳道(Conduit Road)」という道を右手に20分ほど歩きます。特に見どころはなく地味な道が続いて辛い。
洋の東西を問わず富裕層は高所に住みたがるもの。香港もご多分に漏れず、このあたりの半山区(Mid-Levels)というエリアはウルトラハイパー高級住宅街です。香港の人は家賃をKという単位すなわち1,000香港ドルで語ることが多いのですが、このあたりの単位はMであった。
「干徳道(Conduit Road)」の終点から山腹に沿って「克頓道(Hatton Road)」へと向かいます。とりあえず山に向かって登るだけなので迷うことはないでしょう。
このあたりからチョイチョイ山道が始まり、道の険しさに比例して眺望も良くなります。
公衆トイレも完備されているので心配無用。同じく観光に来ていた欧米系の外人が「ベリークリーン!」と感激していたレベルです。傾斜が緩やかになってきた頃に道が分岐し始めます。厳密に山頂へ向かう場合はそれ専用のルートがあるそうですが、普通の観光客すなわち冒頭の夜景を求める方々は「盧吉道(Lugard Road)」を目指しましょう。いいですか、普通の観光客は「盧吉道(Lugard Road)」ですよ。
日没を狙って登山を開始したので道は真っ暗。普通にキョンシーでも出てきそうです。時おりランニングを楽しむ地元民などが通りかかるので安全だとは思いますが。
エスカレーターを降りてから1時間強、「盧吉道観景台(Lugard Rd, The Peak)」に到着。香港で一番夜景がキレイな地点です。唐突にカメラを抱えた観光客が増え始めるのですぐにわかるでしょう。もちろんトラムやタクシーでトラム駅まで登り、そこから徒歩で向かうことも可能です。
この日は若干ボヤついており絵葉書のような眺望とまでは言い切れませんが、なるほどやはり世界三大夜景は偉大である。ところで、「100万ドルの夜景」って、何か安くないですか?響きは健やかですが、米ドルだとしても1億円かそこらであり、私でも頑張ればM&Aできそうです。
すっかり日が暮れてしまい、徒歩での下山はキケンと判断。そのため公共交通機関が集まるピークトラム駅に向かいます。さっきの「盧吉道(Lugard Road)」をそのまま進めば自動的に辿り着きます。
ピークトラムは覚悟していた通りの長蛇の列。仕方がないので私はバスで市街地まで戻りました。タクシーであっても1,000円程度なので、その辺は時間との兼ね合いでどうぞ。
「ヒルサイド・エスカレーター(中環至半山自動扶梯)」という観光地と、片道1.5時間のちょっとしたハイキングも楽しめるという意味で、徒歩での登山は大いにアリです。スニーカーを準備してどうぞ。
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「東京最高のレストラン」を毎年買い、ピーンと来たお店は片っ端から行くようにしています。このシリーズはプロの食べ手が実名で執筆しているのが良いですね。写真などチャラついたものは一切ナシ。彼らの経験を根拠として、本音で激論を交わしています。真面目にレストラン選びをしたい方にオススメ。