カフェっぽい雰囲気の内装。クロスは無く、至ってカジュアルな雰囲気です。川端清生シェフは2003年ボキューズドール(料理の世界大会)の日本代表。古くはフランスで修業し、東京ディズニーシーホテルミラコスタの料理長を務めたこともある方です。
アミューズは大根のムース。大根そのものの味覚はもちろんのこと、大根の茎のシャクっとした歯触りが楽しい。
スペシャリテのスモークサーモン。スペシャリテとしてはダサい盛り付けだなあと疑心暗鬼で口に運ぶと、なるほどこれは旨いですね。ハーブにつけ込み塩抜きをしてお店のベランダで燻製するとのこと。香りはもちろん味わいに複雑性のある逸品です。
パンは簡素ながらもベーシックに美味しい。料理を邪魔しない味わいです。
こちらもスペシャリテの鶏レバーと豚肉のテリーヌ。フランス修業時代にGeorges Blanc(ジョルジュ・ブラン)から直接指導を受けたテリーヌとのこと。だがしかし美味しいは美味しいのですが一般的なビストロレベルであり、スペシャリテと言うには凡庸な皿です。
メインは鴨のロースト。こちらも教科書通りともいうべき正統的な調理であり、安定的な味わいです。
付け合わせは別皿で温野菜。緑の味が濃く、食べ応え充分。
デザートはニンジンのプリン。ニンジンをグラッセにしてから登用するため非常に甘い。ただし粒子が粗いというか、ザラついた舌ざわりが神経に障り、評価に迷う一皿です。
小菓子はココナッツ風味のメレンゲ。こちらもオーソドックスな味わいでした。
コーヒーはイマイチですね。見た目は悪くないのですが、香りは控えめで味も中くらいといったところでした。
食べログ上では3.83と、かなりの高得点なのですが、個人的にはあまりピンときませんでした。どの皿もベーシックに美味しいのですが驚きはない。悪い意味でクラシックであり、店構えや盛り付けの割に高く感じます。平日限定ワンプレートランチで2,000円を切ったりすればまた印象が違うんだろうなあ。
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- 七條(シチジョウ) ←都内屈指のエビフライ
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- 神田ワイン食堂パパン ←リーズナブルなワインバー。
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