さて、サロン・デュ・ショコラ2019食べ歩き速報!でも報じた通り、今年はビーン・トゥ・バーがブームから前提へと移り変わり、その代わりに「ルビー」という、ダーク、ミルク、ホワイトに続く第4のチョコレートがピックアップされました。こちらも有能なパティシエ・ショコラティエの手にかかることにより、数年の後にはトレンドがら選択肢のひとつに変化していくのでしょう。
■ピエール・エルメ・パリ(PIERRE HERMÉ PARIS)
コルマールのブーランジュリー(パン屋)の4代目として生まれたピエール・エルメ。“パティスリー界のピカソ”(ヴォーグ誌)、“パティスリー界の挑発者”(フード&ワイン誌)、“前衛的パティシエにしてフレーバーの魔術師”(パリマッチ誌)、“キッチン・エンペラー”(ニューヨーク・タイムズ紙)、“現代パティスリーの王”(ザ・ガーディアン紙)など、彼への称賛は枚挙に暇がありません。
ベースはパティスリーなのですが、ショコラは彼の得意とする素材のひとつ。スペシャリテであるイスパハンをボンボンに閉じ込める技術には舌を巻く。
■フランソワ・ジメネーズ(François Gimenez)
毎年プライベートで日本を訪れる親日家のフランソワ・ジメネーズ。ブドウの実をマール(ブドウの搾りカスから造られる蒸留酒。このマールはボージョレ)に漬け込みショコラでコーティングするという、ブドウに寄せたショコラです。ショコラ好きはもちろん、酒好きにも愛される味わい。
■ル・ショコラ・アラン・デュカス(Le Chocolat Alain Ducasse)
フランス料理の巨匠が手掛けるショコラ。クーベルチュール(土台となるチョコ)はパリの工房から直送され、日本橋の工房でショコラティエたちがひとつひとつ手作りしています。当店のショコラはカカオの風味が際立っている点ですね。チョコレート、それはカカオ、とも言うべき素材の味覚がはっきりとしたショコラです。
何ならクーベルチュールから東京で作ってくれ、と言いたいところですが、それはまあ贅沢な願いというところでしょう。
■パスカル・ル・ガック(PASCAL LE GAC TOKYO)
1月19日にオープンしたばかりの当店。海外初出店どころかパリ本店に次ぐ2店舗目が東京だなんて嬉しいなあ。彼の作品も様々なフレーバーに寄るというよりは、ショコラそのものの味わいで勝負しているという印象。カカオが濃く、フルーティ。世界初となるイートインスペースも設けられ、目玉としてチョコレートフォンデュが用意されているそうなので、近々お邪魔してみようかしらん。
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男、かつ、左党の割にスイーツも大好きです。特にチョコレートが好きですね。JPHが基準なので、スイーツの評価は厳し目かもしれません。
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