ちょっとギョっとするような外観のビルですが、内部はキレイにリノベされています。「香港の四川料理屋は20軒以上行ったが、ココが一番という結論に達した」と、幹事は自信満々。
フライトが遅れたため、玉突き事故で私も遅刻。既に円卓の上にはごちそうがいっぱいです。「タケマシュランのために写真は撮っておいたよ」と気が利くマックス。
贅沢にもシャンパーニュを飲んでいたのでどういうことかと訊ねると、当店は1本60HKDのコルケージ(抜栓料)で持ち込ませてくれるとのこと。なんと良心的な。香港には持ち込みOKなお店が多いんですって。この日は盛大に4本の持ち込みでした。
ミミガーとキュウリの辛いタレ和え。コリコリぐにぐにとした食感でグッド。調味もただ単に辛いだけでなく、コクと奥行きが感じられ実に旨い。
よだれ鶏。こちらも先のミミガーに似た味付けなのですが、肉質にコクが乏しい分フラットな味覚です。これはミミガーに軍配が上がる。
細切りのジャガイモに火を通し、ひき肉 とネギを和えたもの。日本にありそうでない料理です。シャキシャキとした歯ごたえに辛味を中和する炭水化物。ついつい手が伸びる安心の味わいです。「四川料理は辛いもの一辺倒じゃなくて、こういう辛くないのも間に挟むのがコツ」とのことでした。
麻婆豆腐。よだれ鶏に似た芸風であり、それほど奥行きが感じられませんでした。四川料理は莫大に辛いので、クセの強い食材のほうが似合うのかもしれません。
大好物の水煮。今回の具材は牛肉ではなくお魚です。水煮と書いてもどこが水やねんというレベルの地獄絵図カラーですが、覚悟していたほど辛味は強くなく、どちらかというと山椒の風味が支配的。ビリビリと体全体が震えてくる。死ぬほど辛いがそれ以上に旨い。魚だけでなくジャガイモ(?)で作られた麺の味わいも最の高。本日一番のお皿です。
麻婆茄子。こちらもそれなりに辛いですが、味噌風味が強く相対的にマイルドに感じました。トロっとした舌触りが官能的でクセになる味わい。
鶏の唐揚げとカシューナッツを唐辛子で煎ったもの。山盛りの唐辛子に引きますが、宝探しのように唐辛子とカシューナッツを見つけ出して食べる料理です。唐辛子の辛味はもちろんですが、意外にコショウらしきスパイスが強いのが印象的。絶対的な辛さではコレが一番で内蔵崩壊しました。
ハンカチが絞れるほど汗をかき、手足の痺れが止まらない。それほどマジな四川料理でした。お会計は食事代だけだとひとりあたり2,000円程度と格安。また、皆が口を揃えて言っていたのが「店員の態度がいい」とのこと。店員が「あー?」って言わないし、皿をガチャンと投げるように置かないとのことでした。
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「東京最高のレストラン」を毎年買い、ピーンと来たお店は片っ端から行くようにしています。このシリーズはプロの食べ手が実名で執筆しているのが良いですね。写真などチャラついたものは一切ナシ。彼らの経験を根拠として、本音で激論を交わしています。真面目にレストラン選びをしたい方にオススメ。
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