たけ山/麻布十番

たまには新規開拓しようか、ということで、存在は知っていたのですがお邪魔したことのないご近所へ。店構えは居酒屋そのものなのですが、常に人は入っており、何となく常連で満ちている印象があったので、入店に二の足を踏んでいたのです。
ジョッキで乾杯。由緒ただしき中ジョッキであり、十番でこのボリュームを600円で出す店は意外に少ない。
お通しは類型的なものではなく、きちんと手が込んでいます。鶏肉と大根を炊いたもの。優しく味が染みわたり、しっかりと旨い。
出汁巻きは出汁の量が極めて多く、箸では上手く掴めないほどの柔らかさ。店主はおじさんではありますが、まさにおふくろの味。
焼豚足。プルプルとした脂の旨味とガリっと焼いた凝縮感がたまらない。それにしても、10人近い客をひとりで相手にしたワンオペであるというのに、実にテンポ良く料理が出てきます。少しも忙しそうでなく飄々と作業をこなす店主。只者ではない。
ささみの梅しそ巻き。梅肉が気前よく挟み込まれており口腔内が爽快感で満たされます。肉の水分が抜け切っているのが少しに気なりましたが、まあ、ささみとはそのような部位である。
日本酒は1合で800円前後。これはリーズナブルですねえ。種類も豊富で嬉しくなって、思わずひとりで4合も飲んでしまいました。
ラムスパイス炒め。肉だけが来るのかと思いきや野菜もたっぷりであり、オリエンタルなサラダとして完成しています。調味も思いきりが良く私好み。本日一番のお皿でした。
揚げ出し豆腐にも薬味がたっぷり。好きだなあ、こういう気前の良さ。まるで実家にでも帰ってきたかのような居心地の良さを感じる味わいです。
〆に山椒とジャコの握り飯。ピリッとした風味がクセになる味わいです。
一見客のくせに何だかんだで閉店まで居座ってしまいました。いやあ、良いお店ですね。十番の居酒屋にしては割安で、料理は全部きちんと旨い。恐らく大将の味覚のセンスが私に似通っているのでしょう。

喫煙率がやや高く副流煙祭りなのが玉に瑕ですが、居酒屋とは本来そのようなものである。気の置けないオッサン同士でどうぞ。


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麻布十番には日本料理店も結構多いのですが、割高であることが多いです。外すと懐が大ダメージを受けるので、信頼のおける口コミと、味覚が似た友人の感想に頼って訪れましょう。
東京カレンダーの麻布十番特集に載っているお店は片っ端から行くようにしています。麻布十番ラヴァーの方は是非とも一家に一冊。Kindleだとスマホで読めるので便利です。

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