ひらまつグループが2016年に出店したイタリアンレストラン。奈良公園の中心に位置する「奈良春日野国際フォーラム 甍~I・RA・KA~」の1階という抜群のロケーション。ミシュランガイドでは堂々の1ツ星獲得。
壁一面がガラス窓であり、天井も高く解放感に満ちています。60席と、この手の料理店としてはかなりの大箱であり、結婚披露宴などのバンケット利用にも良さそうです。窓から広がる一面の芝生と紅葉に心が洗われる。クレマン・ド・ブルゴーニュのロゼで乾杯。量がそれほど多くなく、1,700円という価格はやや割高に感じました。が、立派なハコと堂に入ったサービスを考えればホテルのメインダイニングと遜色ないので、まあ、こんなものなのかもしれません。
アミューズはフォアグラを挟んだシュー生地に、キャラメリゼした(だっけ?)プチトマト。3,500円のランチとしてはかなりの手の込みようです。
小前菜はカブのムース。まさにカブとわかる濃い味わい。中にはズワイガニが気前よく入っており旨味たっぷりの1品。
フォカッチャは中くらいの味わい。個人的にはもっとガリっと塩気がきいていたり、ローズマリーの香りがプンプンしたりと、特徴のはっきりしたものが好き。
前菜には色とりどりの野菜をセンス良く盛り付けます。いずれも地元奈良の食材にこだわったものであり、京都「レストランひらまつ高台寺」よりもテロワールを意識しているように感じました。
パスタ料理は「スパゲッティ アーリオ オーリオ~秋茄子~」と伺っていたのですが、あり?麺が無いぞ?
不思議に思っていると、間髪入れずに麺が別盛りで提供されました。
セルフで具材と麺をまぜまぜします。なるほど確かにアーリオオーリオ主体のパスタ料理。秋茄子だけでなくホタテもたっぷりと入っており、実に贅沢で美味なるものでした。が、別盛りにする意図はよくわかりません。普通にプロに盛り付けて出してほしい。
パスタとメインを通して1杯のグラスワインを注文。ブルゴーニュのリーズナブルな白なのですが、先の泡に比べると気前の良い量であり、これで1,400円は大変にお買い得です。ドリンクメニューを見ると、シャンパーニュを含めたペアリングも3,000円~用意されており、ひらまつ系の中では飲み物がお買い得な店舗に感じました。
メインはイベリコ豚のグリル。付け合わせはレンズ豆やイチヂクなど。ソースには何と醤油が用いられています。肉そのものはやや臭みが残り、ベリーグッドとは言い難いですが、この独創的なソースと合わせて食べるにはこのぐらいのクセがあったほうが良かったのかもしれません。
私のお誕生日が近かったので、デザートにメッセージを入れて頂きました。それはさておき、このアイスクリームが相当美味しい。シナモンの風味がきいた特濃のキャラメルアイス。これは永遠におかわりできる美味しさです。
3,500円のランチながら、小菓子やカフェまでしっかりとついてきます。手前のライチのゼリー(?)が心に残りました。
くどいようですが、料理だけだと3,500円です。ロケーションやサービス、雰囲気、料理のクオリティを考えれば大変お買い得。ワインの値付けも悪くなく、皿数が増える5,000円フルコースにしっかりとペアリングをつけてもらったとしても、1万円程度に落ち着きます。ここまで費用対効果の良いミシュラン星付きイタリアンは中々ありません。まずはランチでどうぞ。
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イタリア料理屋ではあっと驚く独創的な料理に出遭うことは少ないですが、安定して美味しくそんなに高くないことが多いのが嬉しい。
- アッピア/広尾 ←客の注文力が試される偉大な店。すごく高いのが難点。
- RISTORANTE YAGI(リストランテ ヤギ)/代官山 ←都内の予約の取れないイタリアン・レストランの代名詞となる日も近い。
- リストランテ・オステリア/六本木 ←ベーシックにすごく美味しい。誰もが納得。
- サローネ2007/元町 ←ランチのポモドーロは絶品。グラム数が指定できるもの最THE高。
- トラットリア アマルフィターナ ←精神的にも費用対効果も本物のトラットリア
- ロッツォシチリア/南麻布 ←雰囲気良く客のレベル高し。ウイキョウのパスタが秀逸。
- カーザヴィニタリア/麻布十番 ←ゴージャスな店内と落ち着いた雰囲気。そのくせ高くない。
- アクアパッツァ/広尾 ←日本人向けイタリアン。誰が食べても納得の味わい。
- アンビグラム/広尾 ←肉塊に喰らいつく幸せ。やや割高なのが難点。
- サーラアマービレ/銀座 ←ランチのフリーフローがお得。