根津美術館は、鉄道王として知られる実業家・初代根津嘉一郎(1860~1940)が蒐集した日本・東洋の古美術品コレクションを保存し、展示するためにつくられた私立美術館。収蔵品はもとより、展示棟の造形も秀逸。何しろ設計は隈研吾なんだぜ。
外国人ゲストが多いのが特徴的。妙に外国人客の多いトンカツ屋「豚組」とセットで紹介されているのかしら。
展示室は写真NGであるため、館内の写真はここまで。この日の特別展は「新・桃山の茶陶」であり、16~17世紀初頭に作られた「桃山の茶陶」を中心に紹介されていました。
「あたしが通ってた高校、厳しくってさ。お茶が必修で、すごく力いれてたなあ」思い出を愛でるように茶器を見つめる彼女。これは〇〇って言って××の時に使うの、とガイドさながらの解説つき。この女の育ちの良さはメジャー級。
展示室を観て廻った後は庭園を散歩。その広さ17,000平米。東京ドームのグラウンド面積13,000平米よりも一回り大きい。なるほど西麻布から表参道方面へと向かう道にずっと連なる壁の正体はこの庭園であったか。
自然の傾斜を生かし、池を中心とした日本庭園で、庭内には4棟の茶室や薬師堂などの建物のほか、石仏・石塔・石灯籠などが点在します。緑は多い一方で人は少なく、散歩するには打ってつけの環境。色々とオウ・ジャパニーズ!な空間であり、訪日外国人に是非おすすめしたい穴場です。
「お茶でもしよっか」と、庭園内にあるカフェに私を案内する連れ。壁面の大部分がガラスであり、そこから飛び込んでくる豊かな緑に心が洗われる。まさか青山のど真ん中にこんなに気持ち良い空間があるとはね。
私は季節限定の「ホット・アップルパイ ヘーゼルナッツアイスクリーム添え」を注文。このアップルパイがなかなか旨い。きちんとリンゴの形を残した具材に存在感がある。生地にもバターのコクがたっぷりで美味。青山でアップルパイと言えばグラニースミスの印象が強いですが、その専門店よりも格段にレベルが高く感じました。ただしヘーゼルナッツアイスクリームとソースが全然美味しくないのはご愛敬。
カプチーノの味わいは中くらい。私はアップルパイとのでセットだったので+400円という価格設定でしたが、単品注文すれば700円というホテル価格。しかしながらその味覚は支払金額には追い付いていません。
「沖縄の件、現実味を帯びてきたわよ」数か月間に宣言したビジネスプランを着実に遂行する育ちの良い女。理想を打ち立てることとそれを実行することの間には深くて大きな谷がある中、彼女は実行を通り越し実現の域に近づきつつあります。
高校時代の茶の心が騒ぎ出したのか、彼女は「お抹茶セット」を注文。「薄茶は悪くない。練り切りってのは難しくて、すごくタイプなものと全然好きじゃないものに真っ二つに分かれるんだけど、これは普通」とのことでした。
「沖縄の案件、失敗する可能性が無くはないんだけど、まあ、打ちのめされて倒れたら寝返りをうって星でも眺めればいいや」明日の天気について話すかのような気軽な口調で彼女は言う。
失敗する余地があれば人はいつかは失敗するものだよ、と、私はからかう。「そうね。でも、人生に失敗がないと、人生を失敗するでしょ?」落ち着いたら沖縄遊びに来てね、と彼女は私の頬に軽くキスをする。
言ったな。私は「いつでも遊びに来てね」の社交辞令を真に受け本当に訪れてしまい人を困らせる天才だぞ。首を洗って待っていろ。
ちなみに「頬に軽くキスをする」は嘘です。
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