レ・コパン ドゥ ドミニク・ブシェ(Les Copains de Dominique Bouchet)/銀座

銀座は数寄屋橋交差点裏、泰明小学校の並びの雑居ビルの地下。パリに本店を持ち、日本ではミシュラン2ツ星を獲得したドミニク・ブシェが手掛けるビストロ(写真は公式ウェブサイトより)。

ランチは3種。魚中心コースか肉中心コース、またはその両方のコースです。ちょうど築地の移転期間中であり気分的に魚に気乗りしないので肉のコースを注文。
アミューズはオリーブやチーズを練りこんだクッキー的な生地。ほどよい塩気と旨みが食欲をそそります。
サラダ・ニソワーズ。ランチのオマケサラダとは一線を画し、ケチなビストロであればグランドメニューとして出せるポーションです。アンチョビの塩気やオリーブの複雑な味わいなど正攻法なサラダであり、シンプルながら美味しかった。ちなみにゆで卵をキレイに切るコツは、包丁の刃をラップで巻くことです。これ豆な。
パンもフランスのビストロで出てくるパンそのものであり、やはりフランス人が手がけるフランス料理屋は一味違う(気がする)。
メインのバベットステーキ。Bavetteすなわちハラミ肉です。ボリュームは150グラム。気取った焼肉屋であれば1皿2,000円近く請求されてもおかしくないクオリティです。

表面はギュっと焼かれているものの内部は真っ赤っ赤。血がしたたるとはまさにこのことであり、野性味溢れる味わいに舌鼓。まるでライオンにでもなったかのような気分です。がおー。

ポルトソースは肉の風味を上手に引き立て、脇を固めるタマネギやカブも素材そのものの味が強く美味。ああ、メインに肉を選んで良かった。
ステーキの付け合せはいきおいジャガイモになりがちですが、当店のそれはペンネでした。まさに付け合せ味、ということは決してなく、肉が焼きあがるタイミングを見計らって丁寧に茹で上げられた傑作。ピリ辛な味わいもちょうど良いアクセント。
デザートにはタルト・オ・ショコラとフランボワーズのアイスクリーム。前者は格別に濃厚なカカオが閉じ込められておりその味わいもヘヴィ級。一発で満腹中枢を刺激してくれます。後者は果実の風味が強く頼もしい口直しとなりました。ううむ、デザートひとつとってもレベルが高い。
折り目正しいコーヒーでごちそうさまでした。

お会計は酒抜き税サ込で2,500円。見事な費用対効果です。銀座の地のこの価格でこのクオリティはブラボーとしか言いようがありません。もちろん絵のような料理に溢れたコース仕立てというわけではなく、質実剛健で男性的なビストロ料理ではありますが、その美味しさには一点の曇りも無い。お昼にガッツリお肉を食べたい際には是非どうぞ。


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