しかし考えることは皆同じなのか、予約なしではテラス席に滑り込むことができず。「お客様のことなので確約はできないが、もう少しで退席しそうな雰囲気なので、ラウンジでお待ち頂ければ」とスタッフが提案してくれたので、店内のラウンジで飲みながら待つことに。
マスターズドリームはやはり旨い。1,300円と中々の値段ですが、ラグジュアリーホテルのラウンジとはそういうものである。彼女は乳母車装備だったのですが、やはりそこは多種多様な人物が出入りするホテル、何から何まで滞りなくスムーズに対応して下さいました。これがサービス料の意義だ。
結局、5分も待たずにテラス席に移動することができました。「今日の服装、どうしたの?妙にシックじゃない」え、きちんとしたホテルを指定されたから、それなりの恰好をしてきたつもりなんだけど。「メインダイニングならともかく、ロビー階のテラス席なんだから気にすることないって。ホラあそこ、中国人なんてジャージで来てるし。あたしだってスニーカーだもん」
しかし彼女のスニーカーはただのスニーカーではなく、恐らく私の頭の先から足の先まで買い揃えてもお釣りがくる代物であろう。
パンが抜群に旨い。ランチに付随する無料のパンとしては世界最高レベルです。正真正銘のバゲットに、バターたっぷりの柔らかパン。ツマミにエビとマッシュルームのアヒージョ。先のバゲットに油をしみこませて食べると旨いのなんのって。海老もマッシュルームも大振りであり、タパスながらしっかりと食べ応えのある一皿でした。
オニオングラタンスープ。炒めに炒めてダークブラウンと化した玉ねぎと、大き目にカットし中くらい炒めた玉ねぎが混在。味の深みと食感に変化が生まれ、我がこころのオニオングラタンスープベスト10に入りました。
連れが注文したクラブハウスサンド。卵が目玉焼きではなくオムレツスタイルなのが面白いですね。ライ麦パンとの色合いの妙も見事であり、食欲をそそる断面です。
私はオリジナルビーフバーガー。肉の挽き方はもう少し粗いほうが私好み。また、パンの出来栄えが無料のそれに比べると数段劣るのが気になりました。他方、ポテトがホックホクで美味。恐らく冷凍のそれではなく、フレッシュなジャガイモを手作業でカットし揚げたものでしょう。彼女の赤ちゃんをあやしながら、器用にハンバーガーをビールで胃袋に流し込む私。「ねえ、あなた、隠し子いない?本当は子育てしたことあるでしょ」と、不審げに眺める彼女。そう、私は特別小さな子供が好きというわけではありませんが、不思議と子供に好かれることが多いのです。
これは何の根拠も無い持論ですが、子供とうまくやっていくコツは、彼あるいは彼女をきちんと一人の人間として認めることだと考えています。乳幼児は身体や言葉が不自由なだけで、感受性や脳みその回転は成人とそう変わらないと信じている私。そのため、「ふゃぁ~~××ちゅゎああん、かぁあいぃでちゅね~」などという対応は全然ダメ。仮に自分が乳幼児だとしてそのような扱いを受ければ、人を馬鹿にしているのかと大声で泣き叫び続けてやる。
「こんにちわ」たまたま近くに来ていたということで、彼女の母親が立ち寄ってくれました。「いつも娘がお世話になってます。この子、友達少なくて、いっつも家で〇〇さん(私の名)の話ばっかりしているの。あたしもようやく会えたわ」三世代にわたっての篭絡が完成した瞬間である。
「でも、思っていたよりも口数が少ないですね。ブログとは少し印象違うかも」オカンもブログ読んどるんかい。「確かに、あんまり自分の話をベラベラ話すってカンジじゃないよね。でも、イエスかノーで答えられる質問とか、具体的な答えがある質問をすればきちんと返ってくるよ。ねぇ、最近いつセックスした?」オカンの前でやめろ。「仕事の話とかも全然しないよね。これからあなたはどうするつもり?」どうって、何もするつもりはないよ。僕は今のままが一番いいんだ。希望なんて何もない。希望を持たない人間は失望することもないからね。「本当に?10年後は世界を牛耳ってたりして」それも悪くないけれど、きっと10年後もキミとこうやってお酒を飲んでるさ。オカンと一緒にね。
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ホテルでの食事は割高ではあるのですが、サービスも味も大きく外すことは無いので安定枠として確保しています。その中でも私のお気に入りは下記の通り。
- ザ・レストラン by アマン/大手町 ←全てが開放的で健康的
- ニューヨーク・グリル(パーク・ハイアット東京)/都庁前 ←食べ放題なのに食べ放題クオリティではない
- ジランドール(パーク・ハイアット東京)/都庁前 ←ランチステーキがお得
- ピークラウンジ(パークハイアット東京)/新宿 ←21時までであれば6,000円チョイで飲み放題という大盤振る舞い
- キュイジーヌ[s] ミッシェル・トロワグロ/都庁前 ←滞在時間4時間。泥酔。
- アジュール フォーティーファイブ(リッツカールトン東京)/六本木 ←ドレスコードを守る価値がある。
- モダンビストロ タワーズ(ザ・リッツ・カールトン東京)/六本木 ←リッツというブランドと雰囲気を食べる店
- ザ・ロビーラウンジ&バー(ザ・リッツ・カールトン東京 )/六本木 ←「WOWバーガー」13,000円(税サ別)
- レストラン・ブリーズ・ヴェール ←天空のレストラン。ランチの危ない開放感。
- ステラガーデン/芝公園 ←東京タワーが0時に消灯する理由
- ケシキ(K’shiki・マンダリンオリエンタル東京)/三越前 ←抜群の眺望を誇り、床から天井まで一面の大きな窓から息をのむような東京の絶景
- シグネチャー/三越前 ←絶対に外さない、非の打ち所の無いレストラン
- あらし山吉兆/洞爺湖 ←吉兆の技術と北海道の素材が調和。
- レ セゾン/日比谷 ←ジビエジビエジビエ!
- ラベ/西梅田 ←クラシックなフレンチ、正統派
ホテル業界の神と随一のマーケターの共著。サービスする側/される側の両視点があり、「ホテルマンが感動するお客さま」「少しでもお得に、上質な部屋に泊まる方法」などの話題も興味深いです。