Bicerin(ビチェリン)/新宿

1763年創業。255年の歴史を持つトリノ最古の老舗カフェが日本上陸。常連客はカブール、プッチーニ、ニーチェ、デュマ、ヘミングウェイなど錚々たる顔ぶれです。
新宿タカシマヤ3Fという静謐な空間。スタバの10倍はする超高級カフェですが、居心地の良さもそれに比例します。スタッフもラグジュアリーホテルもかくやという身のこなし。
飲み物や食事のセットを注文。アペリティフとしてジャコーザ(スパークリングワインにブラッドオレンジジュース)を注文。爽やかで濃厚なオレンジの香りに食欲が刺激されます。
ミネストローネ。カップ1杯ほどのミニサイズなのですが、その味はスケールが大きい。果てしない自問自答と反省が感じられる1杯であり、ここまで美味しいミネストローネは中々ありません。 当店はカフェと見せかけて、どこかから凄腕の料理人を引き抜いてきたに違いない。
メインはラザニア。こちらもミネストローネと同様にハイレベルな仕上がりです。パスタの茹で加減、トマトの酸味と肉のうまみのバランス。全ての構成要素において琴線に触れる何かがありました。
ドルチェのセットが到着。カフェのランチと侮るなかれ、トータルではかなりのボリューム感。
店名を冠した「ビチェリン(トリノの方言で『小さなグラス』)」。ホットチョコレートとコーヒー、泡立てたミルクを小さなグラスに注ぎ入れます。文豪ヘミングウェイに「世界で残すべき100の物」と言わしめた1杯。

が、味わいはまあこんなもんかという印象。カカオそのものに迫力が無く、コーヒーの味わいも中くらいです。ミルクもキンキンに冷えており、1つのカップに2つの温度帯が同居し違和感。個人的にはJPHのショコラショのほうが全然好き。
左のタルトは砂糖の甘さが悪目立ちし凡庸。右はミルクレープ仕立てであり、もっちりとした食感がグッドです。
〆にジャンドゥイヤ。焙煎したナッツ類(主にヘーゼルナッツやアーモンド)のペーストとチョコレートとの混合物です。こちらもやはりカカオに深みが無く、標準的なショコラティエのそれといったところです。

ビチェリンそのものの味わいについては期待ハズレでしたが、食事のレベルが非常に高かった。ビチェリン1杯だけ飲んで帰るのと、食事をキッチリ摂るのとでは印象が全く異なるでしょう。お食事を兼ねてどうぞ。


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