MOMO(モモ)/新大久保

新大久保駅徒歩数分、イスラム横丁マツモトキヨシの斜向かいにある雑居ビル2階。これがもう絵に描いたような雑居ビルであり、まさかこの中に飲食店があるとは思いもよりません。
お目当てのお店のお隣は外貨送金ショップです。このとりとめのなさは香港の重慶大厦を彷彿とさせる。
恐る恐る扉を開けるとほぼ満員。土曜日の15時近いのに謎の混雑具合です。私は女の子連れだったのですが、お邪魔した瞬間は外国人しかおらず、しかも女性は彼女を除いてゼロとギョッっとする人員構成。何かあった際は私が盾となる必要があります。
インドのビール「タージマハル(TAJ MAHAL)」。1本600円で、3本目は半額(つまり3本1,500円)という仕組みです。やや蜜の風味が感じられ、一般的なラガーよりも濃厚でマイルドに感じました。
1,000円のおつまみセット。店員さんが日本語で個々の料理を説明してくれるのですが、私のリスニング能力では上手く聞き取ることができない。味覚から判断するに、右奥は何かのレバーであり、手前はマトンなはず。いずれもスパイスの百貨店であり、拍を刻むような味わいの変化はリズミカルですらあります。中央のライスフレークもじゃがりこのような風味でクセになる味わい。
こちらはネパールのビール「EVEREST(エベレスト)」。醸造者はベルギーで学んだ方とのことで、ヘンな言い方ですが普通に美味しいです。苦味が強く、ドライで骨格のある味わい。ちなみにネパール人は冷たい飲み物を嫌う傾向にあり、彼の地では常温で飲むことも多いそうです。現地でビールを飲まれる際には「冷たいものを」と伝えることをお忘れなく。
店名ともなっているスペシャリテの「モモ」。チベット文化圏で多く食べられる蒸し餃子です。ミンチ肉と野菜やハーブのみじん切りがタネとして鎮座し、様々なスパイスで複雑な味覚を完成させる。スパイスの風味が豊かな小籠包といったところで、ジューシーな肉汁と相俟って味の洗練と調和が達成されています。それでいて600円。この店で、いやイスラム横丁を訪れた際には必食の一皿です。
こちらもネパールのビール「NEPAL ICE(ネパールアイス)」。水はヒマラヤの雪解け水、ホップや香料はドイツから、添加物はインドからとインターナショナルな1本。先のビールたちに比べるとフルーティで円やかです。アルコールは5.5%と結構高い。
「羊の脳みそ炒め」。そう、脳みそです。ネパールでは割に食べられる食材とのことですが、脳みそは脳みそです。ただしスパイスでガッチリ炒められているため、語感ほどのグロさはありません。食感は白子のようにフワっとクリーミー。クセのようなものも一切なく、はっきり言って美味しいです。これは好んで注文したいレベルである。
妙に安い生ビールを注文すると、金麦でした。これはご愛嬌。

以上、2時間と少しダラダラと飲み食いし、お会計はひとりあたり3,000円。かなりしっかり飲んだのにこの価格はリーズナブル。意外性のある食材と料理でテンションが上がり、口にして普通に美味しく2度テンアゲ。こういうお店を選択肢に残しておくと、デートにも奥行きが生まれます。オススメ!


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私はヒールからスニーカーまでイケるクチです。三ツ星店もいいけど、場末の飲み屋街も魅力的。
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