回転寿司的なタッチパネルがありつつも、回転するレーンは無いという、一風変わったオペレーションです。タッチパネルを操作すると目の前の職人さんのパネルがピンポーンとなり、それを職人さんが確認して寿司を握ります。目の前に人がいるのに直接声をかけることはせず、タッチパネルで会話する。まさに21世紀である。
大瓶で喉を潤しながら注文した握りの到着を待つ。この手の業態にしては酒類が豊富でした。
この日のハマチは250円。それなりに美味しくはありますが、くら寿司やスシローの倍おいしいかというと違います。
活魚切り出し軍艦。平たく言うと刺身の切れ端を軍艦にしたもの。見栄えこそはよくありませんが、180円という価格は他のにぎりに比べると相対的に悪くありません。
生しらす軍艦は180円。強い塩気と程よい苦味が酒を誘い結構旨い。中々の費用対効果です。
モンゴウイカのゲソの醤油麹あぶり。たっぷりのゲソに深みのあるタレを塗りつけガスバーナーで炙ります。これが、旨い。醤油の香ばしい香りと筋肉的な跳躍を感じるイカのたくましさ。本日一番のお皿です。これが2カンで130円って凄いぞ。
本日のサービス品ということで、300円が180円に値下げされていた牛タン炙り。これはイマイチですね。牛タンの質が悪くコンビニ弁当のそれと同等です。サービス品という文言につられた私が浅はかでした。
先ほどの印象を神事、モンゴウイカのゲソを再注文。今回はタレ抜き炙り抜き(10円引き!)なのですが、先ほどのような感動は得られませんでした。
あら汁は濃い目の赤出汁にアラがゴロゴロと入っており上々の仕上がりです。内臓が温められ満腹感が支配する。
穴玉子巻という、アナゴとギョクを巻いた、ありそうでない一皿。しかしながら味わいは回転寿司屋のアナゴとギョクを巻いた味であり、良くも悪くも予想通りでした。
食事だけだと1,700円と、一般的な回転寿司店に比べると少し高いです。かといって味が良いというわけでもない。この手の寿司屋に美食を求められるということは少なく費用対効果が全てだと思うので、ちょっと中途半端なコンセプトのように感じました。
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鮨は大好きなのですが、そんなに詳しくないです。居合い抜きのような真剣勝負のお店よりも、気楽でダラダラだべりながら酒を飲むようなお店を好みます。
- 東麻布天本/赤羽橋 ←欅坂46のような鮨。
- 鮨水谷/銀座 ←その先入観を完全に覆す、鳥肌が立ち涙が出るほどの美味。
- 紀尾井町 三谷/永田町 ←単純計算で年間3億円近い売上。恐ろしい鮨屋。
- 鮨舳/瓦町(高松) ←真っ当な江戸前。銀座の半額で何度でも通いたい。
- 天寿し/小倉 ←何度でも行きたいし、誰にでもオススメできるお店。
- 鮨 安吉/博多 ←お会計は銀座の半額。ミシュラン2ツ星は荷が重いけれども、この費用対効果は魅力的。
- ひでたか/すすきの ←鮨は好きだけどオタクではないライト層にとっては最高峰に位置づけられるお店。
- 鮨 田なべ/すすきの ←フォアボールで出塁した感じ。
- 鮨 志の助/新西金沢 ←とにもかくにも費用対効果が抜群すぎる。
- 小松弥助/金沢(石川) ←「まごころでにぎる」を体現する鮨屋。
- 太平寿し/野々市(石川) ←金沢の人が東京で鮨を食べると頭から湯気を出して怒るに違いない。
この本は素晴らしいです。築地で働く方が著者であり、読んでるうちに寿司を食べたくなる魔力があります。鮮魚の旬や時々刻々と漁場が変わる産地についても地図入りでわかりやすい。Kindleとしてタブレットに忍ばせて鮨屋に行くのもいいですね。