「チームラボ」とは東京大学と東京工業大学の大学院生ら5名によって設立されたデジタルコンテンツ制作会社。本業はWEB開発やレコメンデーションエンジンの開発だったと思うのですが、近年はアートに寄せてきています。イベント会場は東京に2箇所あり、豊洲のスポンサーはDMM、台場のスポンサーは森ビルです。
入場料は3,200円。入場日時を指定して予約しないと入れないと脅されていたのですが、平日昼間であれば当日券も残っていました。ちなみに「プライオリティレーンチケット」なるディズニーのファストパス的チケットもあるのですが、その価格はほぼ倍の6,000円。通常チケットで入場日時を指定し混雑を整理しているのに、なぜ「プライオリティレーンチケット」なるものが必要となるのか。チームラボ七不思議のうちのひとつです。
客層が独特。20~30代がほとんどであり、その7割は女性といったところ。カラコン率は50%、自撮り率は100%です。たまに男がいると思うと、大体がツーブロック丸眼鏡にハーフパンツで、クラッチバッグとビットコインを所有してそうな今風な方ばかりです。
水深30cmほどの水の中を進むため、半ズボン必須。じゃあスカートで行けば良いのかというとそう単純な話ではなく、床に鏡を敷き詰めたエリアもあるため、丈が短いとパンツが丸見えになってしまいます。更衣室やロッカー、無料貸出のハーフパンツなども完備されているので上手く活用しましょう。
「バッテリーとレンズ、ここで換えて行っていいスか?」と、同行した女の子。他のゲストの殆どはスマホである中、彼女は一眼レフとガチ勢です。
裸足でペタペタ歩くと途中から毛足の長い絨毯ゾーンとなり、時々クッション。壁の質感にも拘っていて、無機質なコンクリート壁など一切なくフワフワと触り心地の良い点が印象的。
のぼり坂の上から水が流れ落ちてきます。水は適温に調整されており冷たくてびっくりしてひっくり返って頭を打って病院送りになる蓋然性は極めて低いのでご安心を。
まずはふわふわクッションゾーン。無印の人をダメにするクッションを100個ぐらい敷き詰めた小部屋です。床だけでなく壁材もゆるふわ系であり頭を打って病院送りになる蓋然性は極めて低いのでご安心を。
ちなみになぜかこの時の瞬間最大女子率は90%を超えており、女性専用車両に誤って乗り込んでしまったような気恥ずかしさを感じました。そこには女子刑務所の運動時間のような無防備さがあり、スカートからうっかりパンツが見えてしまいそうで気まずいです。
次の部屋に踏み入れると突然押し寄せる煌びやかな雫。 おおおー!と、思わず唸り声をあげてしまう光の洪水。「通路で立ち止まらないでください!」と係員から注意されるのですが、ここで立ち止まることなく素通りできる人間は心を失った機械であろう。
奥の広間。次々と生まれ変わる光の芸術に、皆、自然と笑みがこぼれ、感嘆の声を上げ続ける。
ちなみに天井にも床にも鏡が敷き詰められており、それらが合わせ鏡となって無限に我々が映り込みます。この没入感がクセになり、光のシャワーとともに無言で数十分を過ごしてしまう。
お次はプール。入浴剤のようなもので白濁させた温水にプロジェクションマッピングするというありそうでない手法です。
花が咲き乱れ鯉が舞う。視覚はもちろん、温水からの触感、不思議な音楽、仄かな香りが五感をフルに刺激し、オーケストラのような完成度を感じました。
入浴後は足ふきゾーンと洗いざらしのタオルも完備されています。ここでは1日いったい何枚のタオルが消費されるのか。
吊り荷の下に入るな、の名言に真っ向から立ち向かう部屋。運動会の大玉をひとまわり大きくしたようなビーチボール(?)が立体的に敷き詰められており、自由にボンボンと触れることができます。
定期的にスイッチが入り、天井のバキューム機能によりボールが一斉に浮き上がるのが面白い。
掉尾を飾るのはドーム状のプロジェクションマッピングルーム。ゼロ・グラビティ的な宇宙空間に花々が咲き乱れる。床に寝そべってのんびり眺める仕様であり、この部屋だけでのんびり1時間近く滞在しました。
これはちょっと静止画では説明できない迫力ですねえ。私は普段、動画を撮ることは無いのですが、この無重力空間を浮遊する花々がテンポ良くかつルーズに処理されている様を静止画で説明することは極めて難しい。
以上、わずか数部屋(作品)しかないにも関わらず、たっぷり2時間も楽しむことができました。訪問前は「どうせよくわからない現代美術の映像版だろう」程度にしか期待していなかったのですが、実際に訪れてみると、館内の誰よりも感激し、感動し、自然とカメラの電源は入れっぱなし、電池が足りなくなりそうなほどでした。
訪れたゲストたちは終始笑顔の時々感嘆の声。細部をおろそかにせず全体として一貫性のある世界観。世界に平和をもたらす鍵はアートにあるのかもしれない。芸術に可能性を感じた1日でした。
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「東京最高のレストラン」を毎年買い、ピーンと来たお店は片っ端から行くようにしています。このシリーズはプロの食べ手が実名で執筆しているのが良いですね。写真などチャラついたものは一切ナシ。彼らの経験を根拠として、本音で激論を交わしています。真面目にレストラン選びをしたい方にオススメ。