カウンター主体の店内。実にスタイリッシュなインテリアであり、言葉での表現は難しいのですが、すごくカッコイイ内装です。シェフの手技を目前で楽しめるカウンター席がおすすめい。
東條吉輝シェフはオーストラリアやニュージーランド、イタリアなど世界各国で研鑽を重ねた後に、東麻布の地にてトスカーナ地方を中心としたイタリア料理に腕をふるいます。この日は彼のワンオペながら皿出しドリンク出しのテンポが良く、鎌倉のété(エテ)のような手際の良さを感じました。
スパークリングワインで乾杯。ドリンクは数百円代から用意されており、普段使いするに最高の価格設定です。
最初の1皿目は朝採れの水ナスに生ハム。当店は自家農園を保有しており、そこで大切に育てられた旬の野菜が滅法旨い。日中はシェフ自ら収穫に訪れており(すごい日に焼けてる)、野菜に関しては日本最高峰の美味しさを誇ります。
連日の酷暑につき、スパークリングワインでは喉の渇きを癒すことができず追いビール。サーバーのメンテナンスは完璧であり、スプーンを用いて丁寧に丁寧に注がれる黄金の液体。これで旨くないはずがない。
前菜は旬の野菜に車海老。ややこしい調理でこねくりまわすことはなく、素材の良さを見事に引き出した1皿です。野菜から強い香りと濃厚な旨が感じられ、シンプルながら抜群に美味しい。連れと共に「この店は大当たりだ」と目線で頷きあう。
パンは粒子粗めであり、若干の酸味が感じられます。ひとつ食べればまたひとつ、無言で温かいものが供される居心地の良さ。
魚料理はハモ。新鮮なトマトのソースが爽快感を演出し、モロヘイヤのソースが大地のパワーを感じさせます。目を輝かせながら「夏ですねえ」と呟く連れ。深く考えるまでもなく脊髄反射でハモ=夏と理解しているあたり、彼女の食文化の高さが伺える。こういう女の子は大好きだ。
ボトルワインも3千円代から。安い白ワインではありますが、酷暑に一気飲みするにはこのくらいがちょうど良い。
自家製生パスタの「ピチ」。小麦粉と水だけから作られる、丸くこねた太麺パスタです。讃岐うどんのようにコシがあり食べ応え抜群。フレッシュなトマトソースの酸味と実にマッチします。
2皿目のパスタは一転して肉。乱切りの平うち麺に、エゾジカのラグー。こちらは骨格のある味覚であり、これまでの野菜料理とはまた違った一面を見せてくれました。凝縮感に満ち溢れ単刀直入な調理。素直に美味しい1皿です。
メインは3種からの選択制で、我々は芋豚をチョイス。芋豚とは、さつま芋中心の飼料で育てられた銘柄豚であり、肉そのものの旨味と脂の甘味が特長的。肉汁の浸出(ドリップ)が少なく、ジューシーな味わいでした。
デザートは近くバーにて大人のカキ氷をにチャレンジするので、ここではパス。ちなみに当店の冠である「ペリーニ」とはイタリアンエスプレッソのトップブランドのことであり、その名に恥じずコクのある上質な1杯でした。
飲んで食べてひとりあたり1万円弱。これは良いレストランですねえ。常連が多く、カウンター越しにシェフと相談しながら料理を決めていくスタイルも特別感があってすごくいい。まさに隠れ家といった風情であり、デートにもバッチリです。十番の喧騒から離れて落ち着いた食事を楽しみたい際に是非どうぞ。
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東麻布におけるオススメのお店をまとめました。東麻布は歩いてすぐそこの麻布十番に比べてリーズナブルな佳店が多いですね。
- ローブ ←麻布界隈、いやむしろ都内でもトップクラスに好きなお店。
- ラ リューン ←クラシックで美味。高くない。
- ラメンサ ←ランチのカレーが絶品。テラス席でビールを飲む幸せ。
- ゑびすや魚店 ←東麻布で100年近く続く魚屋が、魚屋料理とお酒を楽しめる居酒屋を営業
- 旬菜本多 ←リーズナブルな和食。感動は無いけれど満足。ランチが超お得。
- 蘭麻 ←夜は1万円超えの高級店ですが、ランチは1,000円代。追加料金でお願いできるカレーが最高に美味。
- ビストロチック ←ランチのパスタが美味しい。店員同士が仲良さそうで微笑ましい。
- Mixology Bar Source 2102 ←コーヒーカクテルが絶品。こんな美味しいカクテル飲んだことありません。
- 麻布十番グルメまとめ ←ほぼ毎日、麻布十番で外食しています。その経験をオススメ店と共に大公開!