11:00オープンで、我々は11:20頃に到着。この時点で8組待ちであり、人気のほどが伺えます。記帳台に名前と人数を記入する待ち方式なのですが、大まかな住所地を記す欄があり、ほとんどのゲストが地元の方でした。
注文に悩む。まず、蕎麦は2枚食べたい。海老天も食べたい。しかし「昼のおきまり」の前菜も豪華で旨そうだ。結果、ひとりで「昼のおきまり」と「天ざる蕎麦」の2セットを注文したのですが、「昼のおきまり」は既に売り切れ。仕方なく「天ざる蕎麦」に「ざる蕎麦」を1枚追加です。「昼のおきまり」にありつくには、開店前から並ぶ必要があるでしょう。
ビールは中ビン600円と良心的。しかも分け合う人数のグラスの数だけツマミをつけてくれるという気前の良さ。ワサビの漬物とのことですが、鮨屋のそれのような辛味はなく、セリのようなシャクシャクした食感で興味深い。
つゆは醤油味や塩味は控えめであり、旨味を強くするタイプ。とは言え味覚としては非常に濃いので、量は少なく見えますが必要十分といったところ。追加で注文した客にはそのたびサラピンのつゆ薬味セットをお持ち頂けます。
蕎麦が到着。黒々はしておらず、やや緑がかった外観です。やはり専門店のそれだけあって蕎麦の香りが強い。食感はワシャワシャというよりはモチモチ。見た目以上に噛みごたえがあり、全体として蕎麦の風味が強い。見た目以上に腹にたまったのも印象的。
えび天は2尾。カボチャなどもオマケで付帯します。エビのサイズがとにかく大きい。チューペットをふたつに割った片割れほどの大きさがあり、この大きさを2尾天ぷらにして1,080円というのは奇跡の費用対効果です。スーパーでエビ買って自宅で調理するよりも安くあがるのではないか。
大きさだけでなく、味もグッド。しっとりと水分を残した揚げ方であり、プリプリ弾けるというよりはニュっと口の中をエビで満たしていく印象。えび天をツマミにビールを注文し、メインで「天ざる蕎麦」を注文するのが一番の勝ちパターンかもしれません。
2枚目はきちんと時間差で持ってきてくれます。追加で730円。うーん、あのエビが1,080円ということを考えると、相対的に高く感じてしまいますね。もちろん蕎麦としてはリーズナブルな部類に入るとは思いますが。
そば湯はドロドロとしたグリ系というよりは、白く輝きサラっとしたタイプ。2杯目のつゆをチビチビ割って、蕎麦の余韻に浸ります。
いやあ、旨かった。大満足。私はどちらかというと山形方面のワシャワシャとした田舎そばを好むのですが、こちらはこちらでありよりのありですね。何より海老天の存在が大きい。あれを食べるのと食べないのでは印象が相当違うはずなので、天ざるでも単品でも何でも良いので、必ずエビは注文するようにしましょう。オススメ!
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「東京最高のレストラン」を毎年買い、ピーンと来たお店は片っ端から行くようにしています。このシリーズはプロの食べ手が実名で執筆しているのが良いですね。写真などチャラついたものは一切ナシ。彼らの経験を根拠として、本音で激論を交わしています。真面目にレストラン選びをしたい方にオススメ。