店内は濃紺。映画館に遅刻して入ってきたかのように真っ暗で目が慣れない。大人の色気がある空間なのですが、快晴の真夏日のランチにお邪魔するにはちょっと違和感。夜が似合うお店です。
ハウスシャンパーニュはアヤラ。上質なブドウの旨味がひしひしと伝わる骨格のある1杯でした。
アミューズは野菜のマリネ、と聞いていたのですが、ちょろっとしたピクルスのようなものがチョイチョイあるだけでした。決して不味いわけではありませんが、これを1皿とカウントするのは無理がある。であればロブションの1番高いコースは100皿を超えるのではあるまいか。
パンは小麦の凝縮感があり美味しいです。オリーブオイルが添えられるのですが、これほど旨いパンであれば是非バターで食したかった。
魚料理は鮎。旬を感じる旨味であり、脇を固める野菜たちもグッド。なのですが、どうにもこうにも量が少ない。つい先日、名古屋のイル コラッツィエーレ(il corazziere)で鮎がたっぷりと入った絶品パスタを食べたばかりなので、どうしても比較してしまいます。
メインは牛ホホ肉。愛知の下村さんという方が生産している「下村牛」とのこと。なるほど王道中の王道といった味わいであり、ベーシックに美味しかった。しかしやはり量が少ない。
連れとグラスで1杯づつ。いずれも1杯1,300円と良心的な価格設定でした。
デザートはピスタチオのクレームブリュレ(?)。ピスタチオの風味が濃厚で美味。サクランボには山椒のようなスパイシーなニュアンスが感じられ面白い。しかしやはり量が少ない。
小菓子は竹炭を練りこんだ真っ黒なカヌレ。これは手堅く力強い味わいでいいですね。本日一番のお皿です。
深みのあるコーヒーで〆てごちそうさまでした。
ランチでコース料理を食べ酒を2杯飲んで6,000円と少し。雰囲気や客層、サービスを考えればこんなもんでしょうか。しかしながらこの量の少なさは何とかならんものか。味は悪くないだけに惜しい。
ヘンなタイミングで食欲が刺激され引っ込みがつかなくなったので、近くのベーグルの名店「マルイチベーグル(MARUICHI BAGEL)」でカロリーを追加しよやく胃袋が落ち着きました。
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「好きな料理のジャンルは?」と問われると、すぐさまフレンチと答えます。フレンチにも色々ありますが、私の好きな方向性は下記の通り。あなたがこれらの店が好きであれば、当ブログはあなたの店探しの一助となるでしょう。
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- アピシウス ←東京最高峰のレストラン
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- SUGALABO ←料理だけなら一番好きかも
- エクアトゥール ←天才によって創られる唯一無二の料理
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