M Restaurant/Lyon(フランス)

元リヨン在住者(井上真央似)にご紹介頂いたレストラン。世界中に公安9課も真っ青の情報網を張り巡らせているタケマシュランですコンバンワ。
私が見た限りではゲストの全員がフランス人であり、おそらくは地元民。それでも英語メニューは用意されており、スタッフによっては英語が通じます。赤を主体としたスタイリッシュな内装がカッコイイ。20:30には既に満席。ネットから簡単に予約できるので、必ず予約してから訪れましょう。
久しぶりにビールを飲みたくなったのでアンバーエールを。やっぱりビールは美味しいなあ。食前にも食中にも大活躍で、高くない。全知全能のアルコールです。

コース料理もあったのですが、今夜はアラカルトで注文。私は前菜とメイン、妻はメインのみ。ランチはトロワグロで4時間かけてたっぷり食べたので、軽めに行きましょう。
私の前菜は豆のスープ。濃密な豆の味にダイスカットのサーモンがたっぷり入ってすごくいい。超一流レストランの小さめスープの味と同等かそれ以上の味わいであり、この時点で当店のシェフは相当の手練であると確信。
パンは普通です。おなかいっぱいになるのを防ぐため、ひと切れだけに留めました。
新品状態での撮影を失念してしまいました、ツマミのオリーブたち。これが実に上質なオリーブであり、塩気が強く骨格のある味わいで、酒のお供にぴったりです。
白ワインはブルゴーニュのシャルドネを。サン=ヴェラン(Saint-véran)は教科書では良く見かけますが、日本ではあまり流通していないような気がします。こういうワインに普通に出会うことができるのがフランス旅行の醍醐味。明るい黄金色でハチミツと樽の香り。びっくりするほどコクがあり、後の濃厚な料理にぴったりフィットでした。
メインは隣のオバチャンが食べてたのが美味しそうだったので、「あれと同じものを」と注文。淡白でたっぷりとした量の白身魚にコッテリとしたクリーム系のソースを流し込みます。魚の下には押し麦のような雑穀がリゾットとして鎮座しており、コクの強いソースを吸ってとても美味しい。オレンジ色は恐らく同じ魚を燻製したものであり、旨味が凝縮されアクセントとなって名脇役。
妻のメインはタラでしょうか。「ソースは良いんだけど、身が淡白で飽きた」ということで3分の1ほど頂きました。なるほどオリエンタルなスパイスが効いたソースが興味深い味わい。少々の酸味があって、日本ではなかなか味わうことのできない調味でした。
飲んで食べてひとり5〜6,000円程度。これはお買い得ですねえ。雰囲気よし味よし値段よし。ビストロの価格帯ながら料理はかなりしっかりとしたレストランという印象。こういうレストランがゴロゴロあるのが美食の街リヨンの本懐といったところでしょう。オススメ!


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ミシュラン3ツ星を50年以上維持する3軒のレストランを巡る旅」目次

「東京最高のレストラン」を毎年買い、ピーンと来たお店は片っ端から行くようにしています。このシリーズはプロの食べ手が実名で執筆しているのが良いですね。写真などチャラついたものは一切ナシ。彼らの経験を根拠として、本音で激論を交わしています。真面目にレストラン選びをしたい方にオススメ。

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