いきなりステーキ/三田

ペッパーフードサービスが運営する、ステーキ専門の飲食店チェーン。前菜などをすっ飛ばし、即本番が始まる立ち食いステーキ屋という、ありそうでない業態が大ウケし、快進撃を続けます。
当然に立ち食いを覚悟してお邪魔したのですが、なんと椅子席に案内されました。ゆったりとしたソファというわけではなく、ラーメン屋程度のカウンターと椅子ですが、立ち食いよりは全然マシです。 ただしカウンターがすげえグラグラしてて、ひっくり返りそうでちょっと怖いし、先客の食べかすや油が飛び散りっぱなしで清潔とは言い難いのも気になります。
当店のウリは客が好みの肉の量を指定して店員がその場で切り分け、これを焼き上げて提供するオーダーカット方式なのですが、平日ランチタイムにはカットステーキである「ワイルドステーキ」や「ワイルドハンバーグ」を中心に、定量サイズのメニューも提供されます。
秒で提供されるサラダ。これは酷い盛り付けですね。食事における恐怖映像であり、食材に対する愛情が微塵も感じられません。ここのスタッフは食べることにあまり興味が無いのでしょうか。
他方、スープは割に美味しいです。肉の切れ端が具材として放り込まれており、調味が濃く、解かり易い味覚です。
ワイルドハンバーグが到着。300グラムで1,100円です。これにセットのライスを抜きにしてもらうと100円引きであり、結局のところ税込1,080円で済みました。原価率は70%以上と言われており、その実力や如何。
まずはソースをつけずに塩コショウのみで。おお、1,000円のハンバーグの割には結構イケます。ただしユッケ級に生焼けであり、ハンバーグでこの火の通りの弱さはちょっと怖い(ミンチ肉は加工時に雑菌が付着して、肉の栄養をもとに元気いっぱいに繁殖し易い)。アツアツの鉄板にギュウギュウと押し付け、セルフでウェルダンへと焼き進めます。

そうだ、めっちゃ脂が飛び跳ねるのでご注意を。紙製のエプロンはあるのですが、それでも不安なぐらい脂が鉄板から乱舞します。
別皿のオニオンソースをぶちまける。これが結構旨い。タマネギがたっぷりと入っており、素材の旨味がタフに伝わり、何のソースかがきちんとわかるレベルです。付け合せのコーンも鉄板で焼き目がついて悪く無い味わいです。
卓上にあるステーキ用のソースも味見で使用させて頂きました。これも中々に深みのある味覚であり、ヘンなステーキハウスのそれよりも全然レベルが高いです。

300グラムという量に若干ビビりはしましたが、余計な前菜やライスなどを食べていないためか、驚くほど軽やかに食べきることができました。マクドナルドのセットものよりも総カロリーは少ないのではあるまいか。
なるほど1,000円でこれだけの料理を食べることができるのであれば、ある一定層にウケるのも納得です。話のタネにお邪魔する価値は充分にある。

ただ、やはり清潔感が無いのは食事という観点からはペケ。また、いくら椅子席とは言え立ち食い勢に囲まれての食事なので、やはり落ち着きがありません。料理を楽しむというよりは栄養を補給する感覚。好みの問題でしょうが、私ならもう1,000円追加で支払い清潔で美しく健やかな毎日をめざすレストランを選びたいと思いました。


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