あなたは迎賓館に招かれたことがあるか?その衝撃のオペレーション!

GWは横浜からクルーズ船に乗り、釜山にワンタッチして神戸に入港。そのまま関西に数日滞在した際に京都も訪れたのですが、ひょんなことから京都迎賓館に潜入することができました。その衝撃体験を記録しておきます。

■京都迎賓館/京都御所
https://www.geihinkan.go.jp/kyoto/
迎賓館とは、外国の国家元首や政府の長などの国賓を迎え入れたときに、宿泊等の接遇を行う施設を指します。日本の迎賓館は2つ。東京都港区元赤坂の赤坂迎賓館と、京都府京都市上京区の京都御苑内の京都迎賓館。いずれも内閣府の直営施設です。
イベントが無い際には一般公開されており、事前にインターネット申し込みをすれば割と誰でも入れます。この日はたまたま前を通りかかった際に「空いているのでお金さえ払えば事前予約ナシでもOK」状態であり、つまり誰でも入れます。
一旦は地下駐車場に通され、物々しい雰囲気の中、厳重なセキュリティチェックが執り行われます。空港の金属探知機的なゲートを通り抜けた後に券売機から入場券を買う。チケットは1,500円で京都の観光地としては極めて割高。しかも自動券売機の操作を全て係員が行うという謎のオペレーション。百科事典の「無駄」という項目の挿絵に採用したいほどです。

手荷物は全て100円返却式のコインロッカーに預ける必要があるのですが、小銭を持ち合わせていない旨を係員に相談すると、「それではあちらに係がいますので、クロークとしてお預け下さい」とのこと。この非効率さには悲しみというよりも絶望を感じました。

このあたりの空間の撮影は警備上の理由によりNG。マトリックスのエージェントのような警備員が50人近く何をするでもなくワラワラといる様は圧巻であった。
地下駐車場を抜け正面玄関に到着。ここで靴を靴箱に入れ、改めて係員より館内での立ち振る舞いについての説明。フラッシュNG、動画NG、建物やモノに触るなという、当たり前と言えば当たり前の説明を繰り返し繰り返し聞く必要があります。何度も何度もしつこいなあ、とウンザリするのですが、彼女たちも仕事でやっているのだ。
館内には全ての部屋・通路に警備員が配置されており、その上で監視カメラが目を光らせています。素敵な内装やアート作品などが目を惹くのですが、空間のすべてにわたって「立ち入り禁止ライン」が引かれており、風情もへったくれもありません。
警備員の眼光が鋭く、妙な動きでもしようものなら直ぐに取り押さえられかねない物々しい雰囲気。ある部屋へ入ろうとした瞬間、突然ツカツカと警備員が駆け寄って来、ごめんなさいごめんなさい僕なにか悪いことしましたっけ、と土下座するのですが、「その部屋の前に、あちらも見学できますよ」と助言をくれただけでした。
入館時に「施設内にはトイレは無いから地下駐車場で済ませて行け」と繰り返し説明を受けたのですが、やはり建物内にもしっかりとありました。もちろん掃除の範囲を限定的にするためでしょう。これはこれで納得感があります。
バックヤードも気前良く公開してくれます。ここで料理するの、気持ちいいだろうなあ。
和の大広間は恐らく全面畳敷きなのでしょうが、一般公開中はブルーシートが敷かれるなど情趣がない。ここでも警備員の方はゲストたちと気軽に談笑中。彼らには彼らなりのサービス精神があるのだ。
順路に倣い外に出て庭園を写真に収めていると、 突然ツカツカと警備員が駆け寄って来、ごめんなさいごめんなさい僕なにか悪いことしましたっけ、と土下座するのですが
「この屋根にバッタの隠し模様があるんです」と助言をくれただけでした。彼らには彼らなりのサービス精神があるのだ。
あまりメジャーでない観光施設、ならびに極めて割高な価格設定であるためか、GWど真ん中の来場であっても数名のゲストしか見かけることはありませんでした。他方、オペレーションサイドとしては体感で100名以上のスタッフが見え隠れしており、凄まじい生産性の低さです。

もちろん金儲けが目的ではなく、効率は二の次で品質を一丁目一番地とする考えはわからなくもないですが、それにしても色々と思うことが多々ありました。ワンオペの最右翼、鎌倉エテのシェフが訪れれば卒倒してしまうことでしょう。タケマシュラン警備社を立ち上げここの警備を請け負うことができれば大儲けできそうです。

さて、以下は同日に巡ったレストランならびに観光名所について併せてご紹介。


■キメラ(CHIMERA)/祇園四条
http://www.takemachelin.com/2018/04/chimera.html
八坂神社の南楼門からすぐという観光客に優しい立地。筒井光彦シェフは大阪イタリアンの名店「ポンテベッキオ」出身。食べログ4.10(2018年5月)で銅メダル獲得と躍進中。詳細は別記事にて。


■二条城
http://www2.city.kyoto.lg.jp/bunshi/nijojo/
徳川により造営された平城。徳川家康の将軍宣下に伴う賀儀と、徳川慶喜の大政奉還が行われた、江戸幕府の始まりと終わりの舞台です。
歴史的な意義は重要かもしれませんが、このような場所に萌えるのは歴史ヲタクのみであり、一般の観光客としては見所は少ないかもしれません。時間の限られた旅行者はパスしちゃって良いでしょう。


■京都御所
http://sankan.kunaicho.go.jp/guide/kyoto.html
禁門の変の舞台である蛤御門を抜けると、歴代天皇が居住し儀式・公務を執り行った京都御所があります。
かつては事前の申し込みがなければ参観できなかったのですが、最近は事前申し込み不要の通年公開となりました。
宮内庁が管理しているのですが、冒頭の京都迎賓館と異なり無駄がなく流れるようなサービスです。しかも料金は無料。同じ官の仕事で似たような業務内容であっても、こうも違うものかと妙に感心した観光地です。


■高台寺
http://www.kodaiji.com/index.html
京都東山高台寺。豊臣秀吉の妻・ねねが、秀吉の菩提を弔うために建立したお寺です。
このあたりの寺社仏閣としては清水寺が最強ですが、高台寺もなかなか良いアジを出しています。何より空いているのがいい。のんびりと散歩すれば気持ちの良い1~2時間を過ごすことができます。おすすめ。


■十牛庵/高台寺
http://www.takemachelin.com/2018/04/jugyu.html
ひらまつグループが初めて手がける和食料亭。お会計はふたりで5万円強と決して安くはありませんが、これだけ趣のあるハコの中でしっとりと落ち着いて食事ができるのだから、非日常の体験という意味を含めてリーズナブルと判断。詳細は別記事にて。


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