ル プティ レストラン エピ(Le petit restaurant epi)/恵比寿

恵比寿と代官山の間ぐらいにある小さなフランス料理店。気持ちの良いテラス席が印象的で、フランスのビストロをそのまま移築してきたような臨場感があります。
暑い日が続くので、この日もビール。最近、1杯目はビールばっかり飲んでるなあ。

「カレシと別れちゃった」ちっとも残念そうになく近況を報告する彼女。「外資の証券?自称年収数千万円らしいんだけど、ずっとお金の話ばっかしてるわけ。上から目線がキモいからさっさと別れてさ、一緒に行く予定だった旅行ももちろんキャンセルしたわけ。そしたら『キミが勝手にキャンセルしたんだから、キャンセル料はキミが払え』だってさ」彼女は軽蔑するように眉をひそめた。
ニース風サラダ。ジャガイモ・トマト・オリーブ・ゆで卵・アンチョビ・ツナなど酒のツマミがテンコ盛りで嬉しい。白眉はトマト。まるで果物のように甘くクリアな味わい。ここ数ヶ月で食べたトマトの中でもトップクラスの美味しさでした。

ってかさ、カレの悪いところしか聞いていないけど、結局どういう所が好きだったわけ?「ああ、顔がタイプだったの」結局は顔なのか。結局は顔なのか。
ちなみにグラスワインは写真左上の黒板。いずれも1,000円前後であり、シャンパーニュも1,500円と良心的。気軽にガブガブ飲むことができるのがいいですね。ビストロの本懐とはこうである。

ところでピークタイムに入ってしまったためか皿出しが遅いですね。パンやオリーブなどで繋いでくれれば助かったのですが、あれ?そういや今夜はパン食べてないや。
ホワイトアスパラガスのフランドル風(焦がしバターソースに細かく刻んだゆで卵入れたもの)。 想定外にエビがゴロゴロと転がっており、エビに目がない私としてはアスパラよりもこちらに目がいってしまいます。

調理は実にシンプルであり、素材のポテンシャルを引き出す調味です。そういう意味ではより極太のホワイトアスパラガスのほうが印象的な一皿に仕上がったかもしれません。
スペシャリテのムール貝。5~6種のフレーバーから選択することができるのですが、今回は「田舎風」をチョイス。なのですが、かなりアルコールがキツいというか、白ワインの風味がスープの中に首席で留年しています。ガスクロのように嗅覚が発達している連れは「すごいお酒の臭い」と顔をしかめた。ムール貝そのものはプックリとした上質な個体だけに残念。
良いラムが入った、とのことでオーダー。なるほど脂と肉のバランスが良く、脂の甘い香りが素敵な演出となっています。骨を手で持ちエキスの1滴1滴まで余すところ無く吸い尽くしました。

「どこかにイイ男、いないかなあ…」いたとしても、キミはそんな男を本気で好きになれるのかな?中くらいの男をイイ男に育てるのが恋の醍醐味。既存のイイ男たちは過去の女たちの作品であり、平たく言えばお下がりです。キミはそんなものに満足するタマじゃないだろう。
デザートは2人でシェア。ガトーショコラにアイスクリームと正統派。たっぷりのチョコレートソースをかけて、安心安定の味覚でした。

「あたしって幸せになれるのかなあ。もう4連敗中なんだけど」虚けたような表情で彼女は呟く。ちなみに彼女は超ハイパーウルトラエリート女子。並の男たちは及び腰となり、逆説的にモテない陥穽におちいっているのです。
コーヒーで〆てごちそうさまでした。お会計はお酒を除いて14,000円と、思ったよりも高くつきました。もちろんアラカルト注文を選択したのは我々であり、コース料理(6,000円)に比べ割高になるのは仕方ありませんが、食事だけでひとり7,000円というのはもう少し選択肢があったかもしれません。

連敗を脱したって時は、結婚する時ってことでしょ、それはそれで僕が寂しくなるんだけど。わざとらしく口をすぼめてみせる奸智に長けた私。「確かにそうね。あなたを失うと生活にハリが無くなるかも」彼女の手がそっと私の肩に触れる。彼女には男をその気にさせる才能がある。危うくNHKしそうになりました。ちなみにNHKとは「二の腕を引っ張ってキス」の略ですこれ豆な。


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