八重さわ/八戸(青森)

八戸の和食店においては3.73と、食べログでトップの点数を誇る当店(2018年4月)。
週末にお邪魔したためか、お隣の個室では町内会の集まり的な宴会が昼間から繰り広げられています。我々は2名での予約。それでもきちんと個室に通され、さらには椅子まで用意されており居心地が良かった。
注文は予約時にお願いしていた『ミニ会席』。作り置きできるものについては部屋に入った時点でテーブルに並べられていました。大規模温泉旅館での夕食のようで拍子抜けですが、工数の限られたランチタイムであれば切羽詰まった事情もあるのでしょう。
刺身はマグロ・ホタテ・ヒラメ。昨日の みなと食堂で食べたものに比べると段違いにレベルが高いです。もちろん支払額も異なるので一概には言えませんが、それでも当店のほうが食べログの点数が低いだなんて悪い冗談としか思えません。
ナスの煮浸し的な料理の内側にミンチ肉が詰め込まれ、仕上げに餡をかけたもの(給仕の方からの料理説明は一切無いため料理名は不明)。これが解かり易い味わいで実に旨い。はっきりとした味付けであり、これをツマミに日本酒なんて最高でしょう。車でしかアクセスできない立地がつらたん。
茶碗蒸し。唯一無二の傑作というわけではありませんが、エビがゴロゴロと転がっているような私好みの茶碗蒸し。
焼き物や揚げ物などが一堂に会したカゴ。ちょっと冷え冷えとした温度になっていたのが残念。できたてであれば、あと3割は美味しく頂けたことでしょう。その点、冷えた料理であることが前提である南蛮漬けは見事な味わい。
こちらは着席後に火をつけられた小鍋。シイタケの旨味がしみじみと溢れ、揚げだし豆腐(?)の皮目が吸った出汁もすごくいい。
山菜とタケノコしんじょうの天ぷら。こちらは入店後に調理を開始した揚げたてであり、ミニ会席の盛り上がりがぐっと高まる瞬間です。
食事はタケノコの炊き込みごはん。なのですが、ウニが気前良くゴロゴロと混ぜ合わされていることに気づき、三葉虫の化石でも見つけたかのような喜び方をしてしまう。こちらについても少し冷めてしまっていたのが口惜しい。
お漬物が少し変わっていて、最後に塩麹に漬けられているのかなあ。独特の甘味とコクが感じられ、中々お目にかかることのない名脇役に接した瞬間です。
デザートにリンゴのゼリーを頂きごちそうさまでした。

お会計は3,000円と、量ならびに質を考えれば破格の価格設定。5,000円であっても喜んで支払うほどのクオリティ。意識を失うほどの美味というわけではありませんが、この費用対効果は目を瞠るものがある。八戸を訪れた際には是非どうぞ。


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