十和田プリンスホテル メインダイニング/十和田湖西湖畔(秋田)

十和田プリンスホテルのメインダイニング。「コンセプトは‘湖畔のオーベルジュ’。十和田湖ひめますや地元の旬の食材を使用した‘十和田湖フレンチ’を優雅に流れる十和田湖とともにご堪能ください」と自信たっぷり。
せっかくなので青森県産のシードルを注文。ヨーロッパで飲むそれに負けない品質で悪くない。 ちなみに料理はひとり6,000円の『湖畔ディナー』を注文しました。
『陸奥の味わい』と称した5種オードブルの盛り合わせ。手前は鶏ハム(?)、右はパテに、奥はチーズにいぶりがっこ、タコ、中央はヒメマスでしょうか。いずれもデパ地下の惣菜レベルです。

また、サービスの方は全てをソツなくこなしてくれるのですが、料理の説明は一切せず、かといってtakumiのような説明書きがあるわけでもなく、あまり食事に興味の無いレストランなのかもしれません。
パンは料理に比べると悪くない味わいです。コース料理の量がとにかく少なかったので、自分でも驚くほどの量のパンを食べました。
『青森産ほたてのスープ、サフラン風味』ホタテの質はまあまあなのですが、スープが既製品のような味わいでイマイチです。クラムチャウダーのクリーム抜きのような味覚。野菜のカットにも工夫がありません。
メインは『十和田湖ひめますと輸入牛ロース肉の盛り合わせ、2種のソース』。これは絶望的に不味いですね。ガッチガチに硬い肉質に、旨味やコクはスカスカ。ソースもケチャップを湯で溶いたような味わいで、びっくりドンキーのほうが余程レベルが高いです。

そもそも『輸入牛ロース肉』 というメニュー表記が食べ手のテンションを下げさせる。普通に『牛ロース肉』という表記だけで良いではないか。

ガルニチュールも作り置きをポイポイと並べただけなのが明白。6,000円のコース料理でこれは無い。
サラダはシナシナのレタスにリンゴ。今日び、そこらのファミレスでも、もう少し手の込んだサラダを出します。
デザートは当然にリンゴ系列のものを期待したのですが、まさかのベリー系のアイスクリームに暴力的な甘味を湛えたブラウニーでした。なぜここでリンゴを使わない。
 コーヒーはパンと同じく、料理に比べると相対的にマシに感じます。
ホテルのメインダイニングで食べるフランス料理としては最低ランクのコースでした。味はもとより、量も少なく、ぱしふぃっくびいなすでの物足りなさが思い出されます。料理がイマイチだったので酒を頼む気にもならず、結局飲んだのは最初のシードル1杯だけです。

家賃や人件費の高い都心であっても、6,000円も出せばかなり美味しいフランス料理を楽しむことができることを考えると、当店のクオリティはちょっとアレです。ザ・プリンスギャラリー 東京紀尾井町のオアシス東京プリンスホテルの清水でもピンと来なかったので、私はプリンスグループと相性が悪いのかもしれません。


このエントリーをはてなブックマークに追加 食べログ グルメブログランキング

関連記事
「好きな料理のジャンルは?」と問われると、すぐさまフレンチと答えます。フレンチにも色々ありますが、私の好きな方向性は下記の通り。あなたがこれらの店が好きであれば、当ブログはあなたの店探しの一助となるでしょう。
日本フレンチ界の巨匠、井上シェフの哲学書。日本でのフレンチの歴史やフランスでの修行の大変さなど興味深いエピソードがたくさん。登場する料理に係る表現も秀逸。ヨダレが出てきます。フランス料理を愛する方、必読の書。

関連ランキング:フレンチ | 小坂町その他