車寄せにレンタカーを止め、荷物をポーターに預けてそのままチェックイン。ところが「あっ」と呼び止められ、どうやらバレーパーキングではなくセルフで駐車場まで行かなくてはならないとのこと。うーん、客が少なくスタッフも暇そうにしてるんだから、それぐらいしてくれても良いと思うのだけれど。
天井が高く、窓も広く、開放感に溢れたロビー。古いホテルではありますが味のあるインテリアであり、まるでヨーロッパの保養地に来たかのような錯覚。
部屋はいささか古めかしい意匠ではあるものの、清潔で機能的。ちょっと暖房の効きが悪いのが玉に瑕。男の私でさえそう思うのだから、女性はさらに厳しく感じるかもしれません。
広さは25平米ほど。部屋にコーヒーミルが設置されており、挽きたて淹れたてのコーヒーをいつでも楽しむことができるのが嬉しいですね。
であり、大きな窓から十和田湖畔の風景が飛び込んでくるのが採光に気持ち良い。4月も半ばだというのにたっぷりと雪が残っており、東京から来た身としては季節が巻き戻ったかのようでワクワクします。
バスルームは死ぬほどダサいです。アメニティはポンプ式のビジネスホテルスタイルであり、注意書きの英語訳も無茶苦茶です。ただし結局のところ、みな温泉大浴場を利用するので、部屋風呂のレベルについてあまり論点となることはないでしょう。
7,000平米のスケールを誇るプライベートガーデンへ。出入り口付近にはバドミントンやフリスビーの無料貸出があり、心なごみます。
外に出ると一切の無音。これぞ静寂と言うべき静けさに圧倒される。僻地にある小規模なホテルであるため、ガヤガヤとうるさい団体客がいないのがすごくいいですね。何か意図を持ってここを訪れているゲストが多く、客層がとても良く感じました。
敷地内を散歩し、十和田湖の湖畔へ出る。無風であり波もなし。絹のようにペタリとした湖面が実に美しい。
寒々とした木々に雪が残る水墨画の世界。ここはアラスカだよと説明されても納得のいく、荒涼とした美しさがここにあります。もちろん緑が生い茂る時期に青空と共に楽しむのも良いでしょうが、今回の冬から春へ移り変わる瞬間も、これはこれで良かったです。
売店で買った話題の酒で乾杯。麦とあきたこまち、横手市大沢産の葡萄『スチューベン』を原料とした発泡酒。微炭酸のぶどうジュースに、コメの風味をきかせたビールのような風味。ちょっと説明のしづらい味覚であり、不思議に美味しい。色んな意味で斬新な酒でした。
夕食はフレンチのコースを。しかしながらホテルのメインダイニングで食べる料理としては最低ランクでした。詳細は別記事にて。
大浴場は『十和田湖西湖畔温泉』と名付けられており、日帰り温泉としても利用できる源泉100%の立派な温泉露天風呂です(写真は公式ウェブサイトより)。浴槽にバリエーションは無くコンパクトな印象があるものの、十和田湖を一望できるコーンと抜けた眺望は圧巻。私としては珍しく、夜も朝も楽しませて頂きました。
朝食は、比内地鶏の卵を使用した卵料理・りんごの冷製スープ・ホテル名物りんごカレーなど東北の食材を使用した和洋ブッフェ。って選択肢が広く、量も好きなだけ食べることができるという意味で、昨夜に比べると幾分満足できました。
この日はあいにくの空模様でしたが、晴れた日にはプライベートガーデンにテーブルを広げることも可能です(写真は公式ウェブサイトより)。
夕食は残念であり、設備やサービススタイルは時代遅れと言わざるを得ませんが、圧倒的な眺望と静かな客層、リーズナブルな価格設定を鑑みると、全体としてとても満足のいくホテルでした。関連記事
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「東京最高のレストラン」を毎年買い、ピーンと来たお店は片っ端から行くようにしています。このシリーズはプロの食べ手が実名で執筆しているのが良いですね。写真などチャラついたものは一切ナシ。彼らの経験を根拠として、本音で激論を交わしています。真面目にレストラン選びをしたい方にオススメ。
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