そのお得系レストラン最右翼にいるのが、藤沢駅南口から10分弱歩いた住宅街にある「ルポ(Repos)」。食べログは3.37(2018年3月)と無名ながら実に素晴らしいビストロです。
店内はフランスのビストロそのものの雰囲気。BGMがフランスのラジオ放送というのもすごくいい。
グラスワイン3杯で1,800円程度のセットがあったので注文。泡・白・赤からのチョイスであり、全てバラバラでもいいし、3杯とも同じものでもオッケーという自由度の高さ。
「ほんっと男の人って胸ばっかり見てくるよね。さりげなくチラ見しているつもりかもしれないけど、こっちは全部気づいているんだからね。視線が下に降りてきてるのバレバレだから」ええええええマジで?どういうこと?と、詳しく聞くと、分からん奴だと詰るような舌打ちをしながら彼女は続ける。
「打ち合わせとかで、相手がチラって腕時計見るでしょ?そろそろ切り上げたいのかなって心配になるアレ。むこうも気遣ってさりげなく見てるだろうけど、気づくでしょ?あんな感じ」オスの扁桃体と視床下部が面目ございません、と世の男性を代表して平謝りする私。
前菜1皿+メイン1皿で2,100円というビストロコースを注文。前菜は250円追加で盛り合わせにして頂きました。グリーンサラダにキャロットラペ、生ハム、自家製ハム、ピクルス、サーモン、レンズ豆、パテドカンパーニュ、キッシュ、ラタトゥイユ、鶏レバーのムースと、ビストロ料理の代表選手が百花繚乱。この一皿とパンだけで食事が成立するのでは無いかと思えるほどのボリューム感も二重丸。これは良いお店だと確信。
「まあ、見られるぐらいならまだマシで、直接的に触ってくる人もいっぱいいるんだから!」そ、そんなにおっぱいいる、もとい、いっぱいいるのか?それってもはや痴漢、というか犯罪じゃないか。
白ワインはアルザスのリースリングでした。意外にも酸味が穏やかでフランスのリースリングの割に甘味が目立つ1杯。
「満員電車で腕とか肘を当ててくるのは日常茶飯事。宅飲みで遠くの缶ビールを取るふりをして腕を当ててきたり、教習所の教官が指導するフリをして触れてきたり、体育の先生が妙にベタベタ触ってきたり。全然さりげなくないから。全部気づいてるから」憎しみを込めて世の男たちの悪事を暴く平成生まれの巨乳。
パン代は別途400円かかるのですが、その全ては自家製でありシェフの執念を感じます。素朴で小麦の味が楽しめる実質主義的なパン。
「重くて肩がこるからさ、疲れてくると居酒屋とかで胸をテーブルに置いたりもするのね。すると、『お前おっぱい休ませてんじゃねーよ』とか言ってくる男もいるのよ。信じられない。まあ、無意識のうちにおっぱい休ませちゃうあたしも悪いんだろうけど」
メインは鶏のバロティーヌを選択。バロティーヌとは骨を除いて広げた鳥肉(鶏に限らず)にミンチ肉やフォアグラなどを詰め込んだものです。ガランティーヌと呼ばれる場合もあります。皮の焼き目がパーフェクトな色合いであり、実に食欲をそそります。
内部にはバターライスがギュウギュウと。先の特盛前菜にパン、バターライス、たっぷりのピュレなど、とにかくボリュームが多く、フランスのビストロで食事をしているような錯覚。軟弱なOLであれば完食は難しいかもしれません。
「意外と女の子からもすごく見られるし、嫌味も言われる。『○○ちゃん(彼女の名)って、おっぱいが目立つような歩き方するよねぇ』とかやっかみ半分で言われたりするんだから」それは違うだろう。おっぱいが大きいから見せびらかす歩き方をするんじゃなくて、姿勢が良くて上半身の筋肉が発達していいるから自然と乳房が押し上げられているだけでしょ?
例えば胸の大きさに定評のある歌手、谷村奈南。彼女はとりわけ芳醇なバストを話題にされがちですが、私の見立てでは乳房そのもの大きさよりも大胸筋と小胸筋の発達度合いが論点であり、そのような筋肉の持ち主は概して姿勢が良いものである。「あんた、真面目な顔でもっともらしいこと言ってるけど、おっぱいの話だからね」言いづらいが、好きになるというのは、最終的には多少なりとも肉体関係を持ちたい気持ちと重なる。
「海外に住んでいたときは本当に良かった。みんなおっぱいが大きくてあたしクラスなんてザラにいて、そもそもノーブラでタンクトップで過ごしておっぱい放り出している女の子もそこらへんにいるし」確かに海外に住むと、ひとりひとりの外見があまりに違いすぎて、外形的なコンプレックスは解消されるのかもしれません。なるほど美容整形技術が発達したのは日本や韓国などの単一民族の国であったか。
それにしても『さりげなくチラ見しているつもりかもしれないけど、こっちは全部気づいている』発言は衝撃。私が女性の価値について考察する際、胸の大きさについては「あるに越したことはないが、無くても一向に構わない」程度の取り扱いなのですが、それでも男であれば無視できない大きさの胸も世の中には存在し、性的にというよりも異質なものを確認すると言う意味で、思わず視線が偏ってしまう場合もなくはないこともないこともなくはないかもしれません。
瓜田に履を納れず、李下に冠を正さず。今後目の前に巨乳が現れたらサングラスをかけるよう心がけます。
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