ミルミョンとは釜山の郷土料理。冷麺の釜山バージョンです。一般的に冷麺とは蕎麦粉やでん粉を使いますが、ミルミョンは小麦粉を原料に製麺しているのが特徴です。また、冷麺は牛肉を使用するのに対しミルミョンは豚肉を用いるのも大きな相違点です。
ミルミョンは朝鮮戦争が勃発した 1950年以降、戦争で北から避難してきた戦争難民が、故郷「平壌」の冷麺(冷麺は平壌が発祥地)を再現しようとし、当時食料不足のため手に入りにくかった冷麺の材料のジャガイモやソバ粉の代わりに、アメリカからの援助物資だった小麦粉を代用したのが起源と言われています。
まずはヤカンに入ったスープで体を温めます。このスープが中々の美味であり、博多の水炊きのスープのような奥行きを感じました。
マンドゥ。小籠包のような薄い皮に、野菜と肉のミンチがたっぷり詰まっています。餃子のタネを焼売に詰めたような料理ですね。
見た目通りの味であり、ニンニクの風味が極めて強い。6個450円とリーズナブルではありますが、味は中くらいといったところ。
スペシャリテのミルミョン。冷麺は黒っぽく、ゴムのような弾力が感じられますが、ミルミョンは黄色く、日本のラーメンを思わせるような食感です。スープは肉と漢方薬を煮出して作られており、塩気は控えめであるものの妙に甘ったるいです。クラッシュした氷がたっぷりと入っており、それが徐々に溶けていくため味が薄まり、はっきり言って大して美味しくありません。まあ、450円という値段を考えればこんなものかもこんなものかもしれません。
こちらは辛い薬味を混ぜて食べるビビンミョン。スープではなく混ぜそばといった趣であり、盛岡のジャジャ麺のソースに辛味を添加したような味わい。見た目ほどは辛くなく、ピーナッツの食感がアクセントになり、私はミルミョンよりビビンミョンのほうが好きでした。こちらも450円。
とにかく安いので、列が延びるのもわからなくもないですが、料理そのものとしては特に美味しいものではありません。牛角の盛岡冷麺のほうが私は好き。時間が限られた観光客がわざわざ訪れるにはちょっともったいないような気がしました。
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「東京最高のレストラン」を毎年買い、ピーンと来たお店は片っ端から行くようにしています。このシリーズはプロの食べ手が実名で執筆しているのが良いですね。写真などチャラついたものは一切ナシ。彼らの経験を根拠として、本音で激論を交わしています。真面目にレストラン選びをしたい方にオススメ。
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