港屋2/大手町

『社長島耕作が通い詰める蕎麦屋』で有名な虎ノ門そば処港屋。世界一並ぶ立ち食い蕎麦屋(タケマシュラン調べ)なのですが、ついに大手町への進出を果たしました。
私は開店15分前からスタンバっていたので一番乗りだったのですが、開店10分前からチラホラとシャッター待ち組が現れ始め、私が退店した11:50には数十人の行列が。恐らく世界で二番目に並ぶ立ち食い蕎麦屋でしょう。
メニューは「冷やし肉そば」一択で、券売機のボタンもひとつしか無いのが何だか可笑しいです。それならカウンターで1,000円札を手渡せばいいのではないかとの疑問が頭をもたげる。
定刻の11:30に入店し、カウンター前で茹で上がりをしばし待つ。この写真だけを見ると激しくオシャレなバーにしか見えず、まさか二郎系の立ち食い蕎麦屋とは信じてもらえないでしょう。ちなみに客の95%は男性です。
トレイにのった蕎麦とつけ汁、生卵を受け取り、店員に案内される立ち位置へと移動。虎ノ門の本店では生卵が食べ放題なのですが、ここではお一人様1つのみ。地価を反映してか、価格も虎ノ門よりは幾分高い。
いつ見ても美しい。これが二郎系の日本蕎麦である。丼に並々とすり切りに盛られた蕎麦の上に、ドグオォンと盛られた豚肉の山。荒々しくカットさらたネギ、良い意味で乱雑にぶっかけられたゴマと海苔には破壊的な美しさがあります。二郎風に表現すると大ブタカタメヤサイカラメです。
つゆはとにかく濃厚で塩分濃度が高い。隣の客は食べ始める前から蕎麦湯で割り、自身の好みに調整していました。たっぷりとぶちこまれたラー油もクセになる味わい。
麺は一般的な蕎麦屋の5倍はあるでしょう。アルデンテを通り越して生煮えのようであり、ムシャムシャグニグニという食感。蕎麦の香りだの喉越しだの、通常の蕎麦談義を超越した凄味があります。しかしながら1,000円1本勝負であり追加料金の大盛りができないため、虎ノ門級を覚悟していたほど多くは感じませんでした。
中腹で生卵を割り入れ味変。蕎麦にはたっぷりの豚肉がのっているのですが、それに生卵を絡めて口に含むとジャンクなすき焼きを食べているような気分で思わず笑みがこぼれる。
テーブルの上には天かすと蕎麦湯。ああ、生卵をもう1つだけ食べたかった。ちなみに当店では飲料すなわちお冷やの提供がなく、必要な方は持ち込む必要があります。持ち込みを全面的に認めている立ち食い蕎麦屋って珍しい。
テラス席もいくつかあり、その席を確保できれば大手町の企業戦士たちの羨望の眼を集めること間違いなし。蕎麦として本質的に美味しいかどうかはさておき、食後の満足感は絶大であることは間違いなし。思いっきり下品に蕎麦をかっ喰らいたい際に是非どうぞ。


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