そば処港屋/虎ノ門

『社長島耕作が通い詰める蕎麦屋』でピーンと来た方は中々のグルメ。世界一並ぶ立ち食い蕎麦屋(タケマシュラン調べ)と言えばココ、そば処港屋。
虎ノ門駅から徒歩7~8分。虎ノ門ヒルズの斜向かい、愛宕一丁目交差点の角にある美術館やギャラリーのような建物です。この日は15時ぐらいでの訪問だったので、店外に行列はありませんでしたが、
平日のピークタイムであればこんな感じの大行列。ただしあくまで立ち食い蕎麦であり回転が早いため、30分もあれば丼にありつくことができるでしょう。私は店内で4~5名の街順列であり、5分ほどしか待ちませんでした。
エクステリアと同様に、内装も至ってシンプル。御影石のようなロの字型テーブル(?)がデーンと店内中央に。ある意味、西麻布81的なインテリア。女性1人客がいても違和感のないシャレオッティ系立ち食い蕎麦屋です。
『温かい鶏そば』は売り切れていたので『冷たい肉そば』を注文。870円のところ、麺を大盛りにして100円増しの970円でした。前金制で、注文して列の脇で待つと数十秒で提供されるマクドナルド方式。店主は常に柔和な笑みを湛えており、すごく感じが良いです。
┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨。これが二郎系の日本蕎麦である。丼に並々とすり切りに盛られた蕎麦(つけ汁は別)の上に、ドグオォンと盛られた豚肉の山。荒々しくカットさらたネギ、良い意味で乱雑にぶっかけられたゴマと海苔には破壊的な美しさがある。二郎風に表現すると大ブタカタメヤサイカラメです。
それにしてもこの麺の量の多さと言ったらない。表参道の玉笑のような気取った系蕎麦屋の10倍は入っているのではなかろうか。ワシャワシャガシガシとした噛み応えであり、極めて男性的な蕎麦です。更科のような上品系と同じジャンルの食べ物と考えてはいけません。
つゆは凄味のある濃さであり、アクセントとしてラー油がぶち込まれており斬新な味覚。生卵は無料で好きなだけ入れ放題。前述の豚肉にはしっかりと味付けがなされているため、生卵と共に味わえばすき焼きを食べているような錯覚に陥る。
平日しか開いておらず、営業していたとしても行列は覚悟せねばならないということで、心理的に距離のある立ち食い蕎麦屋。それでも食後の満足感は絶大。行列が途絶えている際に運よく通りがかった方は、迷わず飛び込むことにしましょう。


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「東京最高のレストラン」を毎年買い、ピーンと来たお店は片っ端から行くようにしています。このシリーズはプロの食べ手が実名で執筆しているのが良いですね。写真などチャラついたものは一切ナシ。彼らの経験を根拠として、本音で激論を交わしています。真面目にレストラン選びをしたい方にオススメ。