日帰り釜山

関門海峡を7:00に抜け、14:00には釜山港に到着です。「韓国なんて近い近い、福岡からなんて船ですぐだよ」と噂では聞いていましたが、想像以上に近くで驚きです。

なぜ釜山に寄港するかというと、当船はイギリス船籍のくせに日本発着の航路ばかりを運航されており、規制の関係上、1航海あたりで必ず海外をワンタッチしなければならないルールがあるのです(専門用語で『カボタージュ』と言います)。なので、ダイヤモンド・プリンセスの航路は釜山やウラジオストクなど日本に物理的に近い都市に寄港することが多い。
さて、釜山港は市街地に極めて近く、旅行者にとって交通の便が非常に良い港です。韓国第2の都市ながらコンパクトに整っており、今回の滞在は15時〜21時と僅か6時間ですが、充分に満喫することができました。
ちなみに日本のガイドブックには、観光地やお店の紹介につき漢字で表記されることが多いですが、現地では漢字は通用しないので気をつけましょう。特に住所についてはハングルが前提であり、タクシーの運転手に漢字を見せても全く理解してもらえません。道に迷ったときは自力で住所を読み解こうとせず、道行く人を捕まえてハングル表記のものを直接見せるか、カタカナの音を覚えてひたすら連呼するという姿勢が最短ルートとなります。

■ポンジョンテジクッパ(본전돼지국밥)/釜山駅
http://www.takemachelin.com/2018/04/ponjon.html
釜山における3大テジクッパ料理店の一角。15時というヘンな時間にお邪魔しましたが、それでも常に満席に近く、断続的に待ち行列が生じるほどの人気店。客は我々以外は全員が地元の方だったので、期待に胸が膨らみます。詳細は別記事にて。


■甘川文化村(감천문화마을、カムチョンムナマウル)/甘川洞
http://www.gamcheon.or.kr/
朝鮮戦争の避難民が移り住んでできた階段式住居なのですが、2009年のアートプロジェクトにより街並みが一変。映え映えする街へと生まれ変わりました。
一見アクセスが悪そうで敬遠しがちですが、地下鉄土城(トソシ)駅からタクシーで10分400円程度なので(韓国はタクシーが安い!)、個人旅行者も勇気を出して行ってみましょう。ちなみに釜山では東京と同じ感覚でタクシーを拾えます。
村の入り口のインフォメーションセンターで200円の地図を買い、観光スタート。平日の夕方でありながら、修学旅行生や日本からのツアー客が押し寄せており、ものすごい人出です。村の範囲は思ったよりも広く高低差もあるため、隈なく巡ると結構な運動量になります。
遠景で眺めるとカラフルでポップな街並みが可愛らしいですが、点在するアート作品を個別具体的にじっくり見るとチープであり、ややもすると文化祭の大道具のように見えなくもありません。
それでも「映え」の典型例とも言える街であることは確かであるため、SNS中毒のギャルにオススメの観光スポットです。


■チャガルチ市場周辺(자갈치시장)/南浦洞
http://jagalchimarket.bisco.or.kr/
チャガルチ市場とは南浦洞海岸部にある韓国最大級の海産市場。市場ビル周辺部にも露店街が発達しており、観光地となっています。
海産物レストランが多く、市場で買ったものをその場で調理してもらうことができるのですが、やはり観光客向けの印象が強い。露天を冷やかしながらのお散歩にどうぞ。


■BIFF広場(비프광장、ビップクァンジャン)/南浦洞
https://www.konest.com/contents/spot_mise_detail.html?id=2231
BIFFとはBusan International Film Festivalの略であり、釜山国際映画祭のグラウンド・ゼロです。広場を囲むように映画館が連なり、路面には国内外の監督やスターの手形が埋め込まれています。プチ・ウォーク・オブ・フェイムと言ったところでしょう。


■国際市場(국제시장、クッチェシジャン)/南浦洞
https://gukjemarket6.modoo.at/
釜山の名物市場『国際市場』。秋葉原と合羽橋と竹下通りをごちゃ混ぜにしてコンパクトにしたような、上野のような街並みです。
1950年の朝鮮戦争の頃であり、米軍部隊からの流出品や釜山港から入ってきたヤミ物資、中古製品などを避難民が売り始めたことが起源だそうな。
屋台なども連なるのですが、やはり観光地感が強いですね。どの店も似たような料理であり、価格も統制されている。シンジケートが幅をきかせているような空気を感じました。


■釜山炭火カルビ(부산숯불갈비、プサンスップルカル)/南浦洞
http://www.takemachelin.com/2018/04/karubi.html
牛肉は1人前3,000円と高価ですが、その他のメニューは安いため、お腹いっぱい食べてもひとり5,000円を超えることはないでしょう。日本の焼肉とはやや趣が異なり、B級グルメ感が強いですが、仲間とワイワイ飲み食いするにはちょうど良いお店。詳細は別記事にて。


■ロッテ百貨店光復店(롯데백화점 광복점、ロッテペッカジョム クァンボッチョム)/南浦洞
http://store.lotteshopping.com/handler/publicCtr_F-mapstart?subBrchCd=029
2010年に誕生した巨大ショッピングモール。いわゆる百貨店棟、専門店街棟、イオン的な棟の3つの建物からなっています。良くも悪くも先進国のショッピングモールであり、日本のそれと大差ありません。妻と待ち合わせ時間を決め、1時間の別行動としたのですが、30分ですることがなくなって(デパ地下に15分、本屋に10分、LINEショップに5分)、後はずっと椅子に座ってました。

これは別にロッテ百貨店をディスってるわけではなく、普段から私はショッピングに行くことが無いので、たぶんどのショッピングモールに行っても同じ感想だと思います。


■草梁ミルミョン(초량밀면、チョリャンミルミョン)/釜山駅
http://www.takemachelin.com/2018/04/miru.html
釜山駅からすぐ近くにあるミルミョンの人気店です。我々は閉店間際に駆け込んだので行列はありませんでしたがそれでも店内は満席。日中は常に行列しており数十分待ちは覚悟しなければならないそうです。詳細は別記事にて。


■総括
これまでの人生において、韓国は2004年に1泊2日でソウルに行っただけであり、特に何も感じないまま帰国した印象なのですが、今回の釜山も似たような印象です。良くも悪くも日本と大して変わらないので異国情緒に乏しいです。街中に流れるBGMも日本のそれと酷似しており、意識して聞いてようやく、ああ、韓国語だったのかと感じるレベルです。
韓国料理は特段夢中になれないですね。もともと私は焼肉というものを好んで食べるということはなく、あれは料理ではなく調理法の一種に過ぎないと捉えています。加えてどの店に行っても卓上に山ほどの調味料が並べられており、ラスト・ワン・フィートをエンドユーザーに下駄を預けるという姿勢が気に入らない。
女の子の顔は物凄くタイプです。日本を除く世界の国々ではダントツに好きな方向性。街中の看板やポスターから微笑みかけてくるタレントたちの美貌は、平均点を取ると日本を遥かに凌駕するのではあるまいか。

しかしながら街を行く女の子たちが皆かわいいかというと、そういうわけでは決して無く、素人のレベルは日本のほうが高く感じました。それでも老若男女問わず肌の美しさは目を瞠るものがあり、美肌という観点では、韓国人のライフスタイルならびに美容用品は研究するに値するでしょう。

2chを中心に日本では嫌韓の流れがあり、ヘイトスピーチなどが問題視されていますが、私にとってはどこか遠くの街で降っている雨のように現実味に乏しいです。今回は6時間という短い滞在でしたが、嫌な思いをしたことは1度もなく、むしろ日本人観光客とわかると、皆、「おお、よく来たな」と言わんばかりに実に親切に接してくれ、こちらも気分良くカタコトの韓国語でも話そうものなら、弾けるような笑顔を返してくれます。
特に理由もなく韓国ならびに韓国人を嫌っている人は、一度のんびり韓国を旅行することをオススメします。嫌いも何も、日本と何も変わりませんから。ちなみに私は少女時代ではソヒョンとスヨンが好きです。スヨンは身長172cmで45kgです。これ豆な。


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「東京最高のレストラン」を毎年買い、ピーンと来たお店は片っ端から行くようにしています。このシリーズはプロの食べ手が実名で執筆しているのが良いですね。写真などチャラついたものは一切ナシ。彼らの経験を根拠として、本音で激論を交わしています。真面目にレストラン選びをしたい方にオススメ。